POP GOES ART! VOL.22

CONTENTS


LOOK BACK 00 POP TALK SESSION!

『LADYFEST2000』

ashtray boy japan tour

joan of ark @ koyto metro

the Dismemberment Plan Live 00/11/10

12/11 ショーンナナ 岡山の某ライブハウス

しおみのサマーソニック

林邦洋 all disc review

ポップオタク回想録「桃尻娘」


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『LADYFEST2000』 text by ayako(N-16)

 今年初めて開催されたフェスティバル『LADYFEST2000』のために、2年連続で行ってしまいました、心の故郷オリンピア!『LADYFEST』のメイン会場は『YO YO A GO GO』と同じキャピトルシアターで、出演バンドもKILL ROCK STARSやKなどのアーティストが多いのだけど、大きく違うところは『女性がメインのイベント』であること。それから、ライブだけでなく様々なワークショップがキャピトルシアター

周辺の会場で行なわれたのも新たな試み。もちろん関係者、出演者、そしてお客さんとして男性も参加することが出来るのだけど、『女性が作り出す環境』『女性のための催し』ということにあくまで重きを置いたイベントだったのです。かといって、決して男性が参加しにくいイベントではなく、男女混合バンドも

たくさん出演していたし、Calvin Johnson(K records),Pat Maley(yo yo recordings)を初めとした男性達もスポンサーとして協力していて、会場にはたくさんの男性の観客も集まっていました。

今年はN-16新田さんと2人で行って来ました!実はただ観に行くだけのつもりで準備をしていた私達ですが、直前になって出演依頼が来たため、ドラマー板さんはどうしても仕事の都合がつかず、2人だけでN-16として出演することになってしまったのです。ドラムを録音したテープに合わせて演奏し、しかも大舞台に立つという、一大事。嬉しいやら恐ろしいやら・・・ではでは、日記調で振り返ってみます。

8月1日

 お昼から「ベース講座」「ギター講座」などのワークショップが行なわれていたので行きたかったのだけど、到着したばかりでグッタリしてたので断念。初日のライブは夜の部だけだったので、しばらくホテルでのんびりしようとしていたところへ、なぜか電話が。新田さんが出ると「Hi!コンニチハ。リサデス。」と、なんとThe crabsのJohnとLisaがホテルのロビーまで来ていると言うではないの!!2人に泊まるホテルを知らせてはいたものの、今はアナコルテスという街に引っ越してて『LADYFEST』には出演しない2人がわざわざ会いに来てくれたのです!しばらく、私達の部屋でお話して、その後食事やショッピング、ファブリックショウ(布を使ったアート作品を展示)に一緒に行く。『CTB!』弥生さんやTina,Nikki(クラブスのジャケでおなじみの),ソフティーズのローズの作品があって、どれもこれも素晴らしい!散々楽しんだけど、クラブス達は残念ながらライブも観ることが出来ない時間に帰らなくてはいけなかったので、またもや涙のお別れ。毎回、次にいつ会えるかわからないので泣いてしまう。彼等はいつも本当に温かく接してくれて、心の中では「アメリカのパパとママ(そんなに年上じゃないけど)」みたいに思ってる。

で、キャピトルシアターでライブ。トップはquixotic,そしてBANGS!BANGSは最新アルバムがすっごくよかったので楽しみにしてて、ライブもかなりよかった!フロント2人が女性、ドラマーが男性の3ピースだけど、力強い、力強い!その後、しばらくspoken words(演説みたいなもの)が続いて英語がわからないわ、時差ボケだわで、トリのbutchiesまで頑張ることが出来ず、ホテルへ。(後々、散々「butchiesを見逃したなんて!」と言われ、後悔しきり。)

8月2日

 全日昼の部はTHEKLAというライブハウス(ベイサイドジェニーみたいな感じ)で行なわれるのだけど、この日ここで3番目に出演するのが、我々N-16。無理矢理リハをさせてもらうも、モニターからテープの音を返すことが出来ないってことで、不安だけが残る。まずは、Kanakoのバンド。ドラマーがヘザー・ダンで、チェロ奏者2人とKanakoがギターヴォーカル。次はbraille stars。残念なことに自分の出番が気になって集中して見れなかった。そして、遂に私達。セッティングをしているとなぜかキャルビンがやって来て、いろいろと話し掛けてくれるたんだけど、おかげでライブがなかなか始められなかった。1曲目のみ新田さんがギターを弾いて私が歌だけ、というクラブス・スタイル。2曲目以降は私もベースを弾いて、ドラムテープに合わせて演奏。リハよりは数段やりやすくて、しかも1番驚いたのはお客さんの反応。日本では考えられないぐらいの拍手や悲鳴をあげてくれて・・・温かい人たちだ。日本人のバンドが1つだけだったせいかもしれないけど、あんなに写真を撮られたのも初めてで、N-16海外初ライブはとりあえず成功でしょう。そして、トリは大好きなRONDELLES!1番前で踊り狂って観た。去年観た時は3ピースでジュリエットのギター1本では頼り無い感じだったんだけど、そこへもう1人男性ギタリストが加わってパワー倍増!めちゃめちゃかっこよくなってて、貫禄タップリ。夜の部はアコースティック系のアーティストが出演。トップはAmy Blaschke。初めて聴いたけど、すっごいよい!VO&G,Drのアコースティックサウンドで、静かで暗い感じなんだけど、今回のフェスでの私の1番の収穫はこの人!「makes me sentimental」なんて歌ってて、もう本当にセンチメンタルなのですよ。ライブ後、Amy(だと思う)自らCDを手売りしてて、迷わず購入。そして、ソフティーズ。2人ともおそらく古着のオレンジ色のクラシカルなワンピースを着ててかわいい。新曲もすっごくよくて、心が洗われた。私達の前に座ってたキャルビンが勝手にハモったり、奇声を上げたりするのが気になったけど、きっとキャルビンもソフテーズ大好きなんだろうなあ。Jenと会ったのは来日公演以来だったけど覚えてくれてて最新アルバムをそっと私のカバンに入れてくれた。DOSはB&VO,Gの2人組。そして日本でも有名なCAT POWERと続いたんだけど、ちょっとどちらも退屈でした。すいません。

8月3日

 ファッションショーを観にキャピトルシアターへ。これ、かなりおもしろかったです。出演者がみんなその辺で観たことある人達で、1ブランドごとにストーリー仕立てになってるんだけど、めっちゃおもしろかった。夜の部、毎日スタート時間が遅れまくってたのでゆっくり行ったら、この日1番楽しみにしてたRose&Kathy Melbergのショウが終わっていた・・・あ〜あ。ソフティーズのローズがお母さんと一緒に歌ってたんだって。ショック。この後も気になるバンドはあったもののパーティーに誘ってもらっていたので、そっちに移動。そこでショックだったのが、旅の疲れか、ライブが終わって緊張が溶けたからかわからないけど、突然倒れてしまったこと。額にコブまで出来てましたよ。あ〜あ。でも、みんな親切にしてくれて嬉しかっ

た。しばらく休んだ後、懲りずに別のパーティーへ。これはLoisとNikkiが主催した『GOLD PARTY』、みんなゴールドの格好をしてて集まってる人たちもかなりステキ。THE KGのTaeさんのドレス姿(!)にはノックアウトされた。狂ったように踊るキャルビンを見てたら、ついつい倒れたことも忘れて踊り狂ってしまった。ここで、去年『ROCK'N ROLL PEE MY PANTS』を主催してた子に会って、今年は『BEAVER FEAVER』っていうイベントをするから、と誘ってくれた。

おっとここまで!あとは、購入してから読みましょう。

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00/9/29 ashtray boy japan tour

 大好きな京都のバンド「N−16」のayakoさんからの誘いで、存在すら知らなかったバンド、ashtray boyのライブに足を運ぶ事になった、まあよく分からんけど、秋の京都に行って見たいじゃないか!という事で、京都です、京都に来ると「玉子カレー」を食べてしまう、地下街のはしっこにある洋風おばんざいの店のメニューです、ぜひお試しを!

 メシの事はこのくらいにして、会場のメトロです、まだ開いてなくて、鴨川の土手のベンチに座って、暮れて行く街をぼんやり見ていた

「俺は独りで京都にいるだなあ」

 としみじみして、犬を散歩させる人の顔が見えなくなる暗さになった頃、よいしょっと腰をあげた。

 で、会場に入ると人が少ない、でも日本でashtray boyを知っている人がいる方が珍しいので、まあ納得する、N−16のayakoさんが声をかけてくれたので挨拶をする、彼女は忙しそうに挨拶をしまくっていた、友達が多くて本当にうらやましい。

 今回の主役ashtray boyです、初期cannabsに参加し、シドニーとシカゴでレコーディングしながら作品を発表し続けるashtrayは、海洋学者のランダル・リーを中心とするバンドです、今回はモーリンタッカーの再来(死んでないって)とも呼ばれてる女性ドラマーのジョーと、私生活でのパートナーでもあるカーラとの三人での来日、のはずだったんだけど、ベースで長髪の兄貴が参加してます、4人編成です。

 カーラが、ピアニカをかかえて「コアラボーイです」とつたないMCからはじまったステージ、ランダルリーさんの声がいいっ!ジョナサンリッチマン〜キャルビンジョンソンあたりのヘタレ声、で楽曲は変則チューニングや、不思議なリズム感で、同じオージーポップシーンの立役者、「ゴービトウィーンズ」を彷佛とさせるし、簡単に言うとピアニカ入りのベルベットアンダーグラウンドのソフトロック割り、と言ったとこかなあ、とにかく独特です。楽器を持ち替え、変幻自在に展開していくライブには飲まれてしまいます、音楽に、バンドに決まりごとなんて無いんだよ、ただプレイして、それでファンならオッケーじゃん!とオージーの明るい空気が伝わって来ます、曲によっては最近のTFC(バーズ、ザ・バンド)あたりの乾いたギターと、スライドが絡む曲もあって、満足ですよお。

 ただ、会場のメトロは照明が暗くて、やたら「ライトアップ」と叫んでました、暗いと楽器弾けないもんね、その決して洗練されない感じ、大好きです。

 やっぱ、洗練されたもんって面白くないです、N−16にしてみても、そこらへんにいそうな女の子が一生懸命歌ってる、それにやられるんです、カヒミカリィみたいに美貌も才能もあるって人には、燃えないんだなあ、やっぱ、普通の、僕らと同じく、人生迷って、どうしょうって、でも、歌っていきたいって、そんな人の歌に、声に、プレイに、僕はシビレるんです、今回のバンドは全員ビリビリキました、やっぱ来てよかったですよ、終電が9時30分なので慌てて帰りましたが、最後にN−16のニッタさんが握手してくれて、すごい感激でした、しばらく手を洗わないでいました、というのは嘘ですが(←というのも実は嘘ですが…)、なんかさ、そんな離れてるけど、みんながんばってるんだ、ちょっとだけ心がつながるんだって、それが最高に素敵です。

 東京の一部のオシャレな人たちだけが日本のインディじゃないんだよって、胸を張っていいたい、京都でも、福岡でも、長野でも、僕が暮らす岡山でも、みんな、それぞれ、歌を伝えたくて、つまらない世の中をなんとかしたくてがんばってんだよ、それでいいじゃん、金の為に嘘付きたく無いモン、俺は。♪生まれついてのモモンガモンだよ、ぼくら生きているあいだ文無しかもしれない、違うと思ったアナタ、このファンジン捨てなさい。(しおみ)

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1/28 joan of ark @ koyto metro

 冬だった、彼女はいつも赤いフレームで、僕と言えば白いタートルだった、僕はソフボーイのTシャツをプレゼントした、彼女は歯並びの悪い歯を見せて笑った、可愛いと思った、今度JOAがメトロに来るんよなあ、楽しみやなあ、前座がサンガツなんねんて、凄いやん。なんて会話をしていた、2001年の一月。

 携帯が鳴って僕はジェットセットに行った、彼女は

「カップンジャズ買うたわ、メンバーの人に会ったらサインしてえって」

 カップンジャズというのは、ジョーンオブアークの前進の伝説のバンドで、ローファイエモコアポップなのだそうだ

「見て見て、アーハのカバーもしてる〜」

 とか言いながら、彼女と僕は三条からメトロまで鴨川を歩いた、空気が透明で切れそうな冷気が僕には気持ちよかった、情けない事に、僕は彼女の手を握れないままだった、すれ違うカップルはみな手をつないでいると言うのに。

 メトロの照明は相変わらず暗かった、そこがいいのだけど、僕はジントニックとカルアミルクを持って彼女のとこに戻った

「そんな甘いん、よう飲めるなあ」

 なんて言って、自分が嫌になる。

 会場がようやく満員になり、僕と彼女の間の空間も狭まって来た頃、サンガツが登場した

「サンガツって聞いた?」

「うんネットでちょっと、気持ちええで」

 なんて言ってみる、そのサンガツだけど、最初は低血圧のグレイトフルデットかなあって思ってた、けど、どんどん盛り上がる、2本のギターの絡みがほんとに気持ちいい、彼女は

「なんかトランザムみたい」

 って耳もとで言う、僕は日本のトランザムと勘違いしてしまい、勘違いしてる自分にまた嫌になる。ドラムの人ってどんな叩き方したらこんなドラムになるんだろうと感心してしまった、終わって

「ドラム凄いなあ」

って言う、彼女は

「うん、ダブルドラムのバンドってはじめてみた」

って言う、ドラム2人いたんや、全然気付かなかった、というのも、僕より彼女の方が身長が高いからだ、僕の視線では、ドラムは一人しか見えなかった。

 次のノイズユニットが長くて、彼女は退屈してしまった、スピーカーに座ってぐだって寝てしまった、僕も座って、ぼんやり彼女の赤いフレームや、さらさらの髪や、切り過ぎの前髪をずーっと見てた、音楽はちょっと辛いけど、彼女の寝顔を見れるのだから、僕は幸せだった、ありがとう。

 で、ジョーンオブアークだ、だけどなかなか始まらないんだな、なんかみんなで写真とって盛り上がっている、楽しそうだにゃ〜、と思っていたら、彼女は

「あ、先輩」

って僕の知らない男のとこへ行ってしまった、僕はよくよく考えたら、彼女の先輩も何も知らない、彼女は先輩らしき男と盛り上がっている、僕と一緒だと眠っていたのに、こんな嬉しそうな彼女の顔を僕ははじめて見た、僕は、僕は、いい、もう、そっちを見ない事にした。

 JOAがはじまった、しかし、溢れる歌心、そしてこんなにもい〜かげんだったなんて、びっくりした。もっと緊張感のあるバンドかと思ったら、メンバー間での冗談も当たり前、演奏も中断し、

「俺が歌えないだろー」

「俺にどーしろってんだー」

なんて軽くモメたりして、結局ティムキンセラが手拍子を叩きながら熱唱したりしてる、3年前にクアトロで見たペイヴメントを思い出した、このユルさ、そして訳の分からさな、怪しさといってもいい、ロックの基本だわー、って思って、すっかり彼女の事など忘れてしまってた。

 キラキラした電子音と、透き通るストリングスの音色、いいかげんながらも、いざと言う時には、カッチリ決まる演奏、まるで必殺仕事人みたいだ!なーんて感心ししまった、時間はもう11時、こんな長丁場のライブは久しぶりだ、すっかりバンドの雰囲気に飲まれつつもライブは終了、彼女がいつの間にか戻って来て、

「やー、楽しかったわー、あの隅っこで紙をくしゃくしゃしてた人がおもろい〜」

って笑った、僕も笑った。

 結局、メンバーに話し掛ける事は出来なかったけど、僕と彼女はメトロを出た、夜は冷たく、月は尖っいて、金星が光っている。彼女はダッフルに身を包み、楽しかったねー、って言う、鴨賀橋を二人で歩いた、その途中、

「あのね」

って

「先輩がね、飲み行くからね」

「行こうかなあって」

「一緒に来る?」

って、僕は

「俺はええわ」

って言った、言ってしまった。

「じゃあね」

って彼女はあっさり橋の中央からメトロに向かって戻って行った、鴨川から鴨らしき鳥が飛んでいった、息が白かった、僕はまた独りぼっちになってしまったのだなあ、と、思いながら、僕は丸太町の駅まで歩いた。前髪切り過ぎなんだよって思った、ついに言えなかった、寒い冬の夜の出来事だった。(しおみ)

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the Dismemberment Plan Live 00/11/10

 ディスメンバメントプラン、聴けば聴くほどくせになる不思議なバンドだ、CDの帯にも「ニューウェイブ/ハードコア」と書かれていて訳が分からない、その音から思い出すバンドは、フガジ、ポリス、XTC、スティーリーダンとジャンルも年代もバラバラ、彼らの音づくりは普通ではあり得ないほど奇形で、それでいてポップで、ウタゴコロに溢れていて、エモーショナルで熱かったり、クールに突き放してたり、伝えたい歌があるのに、それが真直ぐに放出できず、紆余曲折したまま僕らの心に放り投げこまれる感じだ。

 なんかこう壁が出来て息苦しい音楽シーンの中で、彼らは確実に風穴を開けている、それは小さくてたよりないものかもしれない、決して時代を変革する様なものではないと思う、でもそれでいいと思う、僕にはそのくらいの風穴が必要なんだ。

 そんな、時代の最先端に穴をあけて息継ぎをしてるディスメンを、あの「くるり」の岸田くんがいたくお気に入り、日本盤の解説、ベスト盤のリリース、そして、自らのツアーに同行という、なんとも粋なはからいをしてくれた、サンキュ、岸田!と偉そうに言いつつ、会場に向かう。

 もちろんメインは「くるり」なので前座なのだけど、一時間くらいの時間内で彼らは素晴らしいライブを見せてくれた、「waht do you want me say?」でライブがスタート、一曲目にコレとは、なんとも渋い!2本のギターのシンプルな絡み、タムの無いドラム、地下水脈の様に這い回るベース、そしてイッキに感情がピークに達して今までのクールなたたずまいが嘘みたいにブチ切れる、ギターもギュンギュン叫んでる、音もブ厚い!ドラムが、こんなシンプルなドラムセットなのに、ちょっと理解出来無いくらい複雑なリズムを刻む、凄い!だけど、会場のくるりのファンは、「何コレ〜??」って感じで付いて行けない様子、もったいない!

 メンバーの楽器の持ち替えが多く、ギターの人がキーボード弾いてたり、ボーカルの人も歌いながらキーボードやサンプラー弾いてたり、ベースもいつの間にかムーグベースに替わってたりして、曲によって変幻自在な編成となる、これぞバンドといった感じ、高速のハードコアヒップホップな曲では、メンバー全員が決めのポーズ(お前らはディーボか!)をとったり、もうかっこいい!かっこいい!しらけたムードの中で一人「すっげえ〜、かっこいい〜」って盛り上がってしまいました。

 「you are Invied」って曲では、リズムボックスと声だけが3分続き、中の一瞬だけバンドの音が入って盛り上がるって曲なんだけど、ほんとそのまま、歌が始まったら、他のメンバーは楽屋に入って休憩してて、そろそろかなってとこで出来て、ガッツンガッツンと盛り上げる、そしてまた休憩していく、こんなライブ無いよ普通!

 アルバムの一曲目の「a life of Possibilites」も最後にやってくれて、非常に80年代なムーグベースがまた何ともいえないかっこ良さ!(そしてかっこ悪さ!)、でラストは、もはやエモなステレオラブみたいな高速インスト、途中次第にクールダウンして音数を減らしながらも、最後の最後はやっぱりバンドだね、もう爆音のエモポップ状態に突入、うおー!!って手を突き出してしまった、よかった、よかった、これは素晴らしいライブだ。(しおみ)

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12/11 ショーンナナ 岡山の某ライブハウス

 RBFの西村さんは旅芸人みたいだ、全国をまわりながら素晴らしいショウを見せてくれる、そんな西村さんが、今年連れて来た楽団はショーンナナ、青空を背負った素晴らしいジャケットのアルバムを届けてくれた屈折ポップバンドだ。

 チケットを無くしてしまい、落ち込んで会場に着く、前座がなんと6バンド、なんで6つも出る?と疑問に思いつつ、外は粉雪が舞う寒さなので入場する、最初のバンドは「サブリナ」という、いわゆるギャルバンでした。ベースが凄くうまくてかっこよくて、僕のバンドに引き抜きたいー!って思いつつ見る。

 続いてはお馴染み京都の「N−16」、いきなりハードな演奏の新曲からスタート、かっこいい!AYAKOさんは風邪で体調を崩していたにもかかわらず、今までにないシャウトなどを披露して、Kや、KILL ROCKSTARSゆずりの姉さんロッカーぶりを見せてかっこいい!ギターの新田さんも今までのファジーな粗い音ではなく、キラキラしたギターを奏でる、そして、今回はドラムの板さんに注目したい、もう前のめりに倒れそうなドラミングで圧倒する彼、N−16の魅力の一つにこのドラミングがある、勢いあまってフライングしつつも最終的にはピタリと合わせる奇跡のドラム、そんな彼は結構かっこいい、小山田圭吾似のいい男だ、そしてやはりAYAKOさんの声が好きだ、こうも気持ちよく心に飛び込む声、幸せが身体を包む様な声、それで僕のフェイバリットの「WANDER GIRL」では、思わず口笛でイントロを吹いてしまう、楽しいなあ〜、すると酔っぱらった友達が踊りながら僕にぶつかってくる、そんなリラックスした雰囲気、いいです、ライブが終わって、新田さんが

「しおみさんも踊ってて、みんな踊ってて、楽しい〜」

 と、そのまんまのコメントをもらった、それでいい、楽しさを十分に伝えてます。

 ここで、毎度お馴染みトラブル発生、このライブハウスにくると、かならずひどい目にあうのでもう慣れてます、N−16の時に僕にぶつかってた友達が酔いつぶれてしまい、店員と外に運び出したのですが、店員はライブがあるからと言って、粉雪舞う寒空の下に、意識不明の友達をほったらかしにして帰ろうとしたので、ちょっと怒りました、ライブと人の命とどっちが大切なのかしら?そんな事も分からないのかしら?

 分からないみたいです、ショーンナナの前に、その店員のバンドがライブをするのですが、なんで店員のバンドがショーンナナの前なんですか?なんで6つも前座をつけなきゃならないんですか?毎回疑問に思う、ここの店員って自分達の好き勝手して、井の中のカエルって思いました。結局酔いつぶれた友達は救急車で運ばれましたが、なんか僕は腹立って、ライブハウス飛び出して、そこらの電柱蹴って(痛い、寒い)馬鹿みてえ、って、もうライブハウスにいるのが辛くなって道路で寝てました、寒くてどうにかなりそうでしたが、意識不明になった僕の友達が吐瀉物の中に倒れてる時、その写真を撮ってゲラゲラ笑って見捨てた奴のライブなんて、俺は死んでも見たくない!腐った肉は食べれないのだから、意地になって雪の舞う道路に僕はいた、いたかったんだ!

 やっと、馬鹿のライブが終わって、ショーンナナだ、会場に戻ると、RBFの西村さんがニココニしながら「今度はハズレではないですよ」と暖かく迎えてくれた、なんか、うまく言えないけど西村さんのいる場所が僕の「ホーム」だって思った。

 「ショーンナナ」、前座が6バンドもいたせいで40分あまりの短いステージだった、でも、やつらは凄かった、3分くらいのポップソングの絨毯爆撃!とにかく休まない、ドラムが凄い、こっちが持っていかれるくらいの勢いで、次々とポップポムを爆裂させる、かっこいい!

ショーン(22歳、見た目32歳)は「ブルースブラザーズ」のジョンベルーシ(ほんと似てるよねえ!)が、教会で突然踊るシーンそっくりに、踊りながら熱唱!キーボードは僕が大学の時に使ってたのと同じやっすい機材だったけど、もう弾き倒してた、ベースレスでこの音圧か!

 ショーンはメガネを髪で止めて「メガネ…メガネ…」とメガネを探すという、世界共通のボケをかましたり、「アィーン」とかやったり、もうめちゃめちゃ日本人だ、アルパムでのどっりした感じは払拭され、マッハの勢いで全ての曲がプレイされていく、西村さんも

「てっきり、アコギで来るのかと思ってたら、テレキャス持って来て凄い音ですよ」

 とライブ前に言ってた、ほんとにその通り、クラブスをもっとロック寄りにしてアクセル全開で突っ走ってる感じかな。最後にはマイク振り回してフラッシュダンス!(なんと、Rケリーのカバー)客席に飛び込むは、大変な騒ぎだった、アンコールも3曲披露し、圧倒されっぱなしの40分でした。

 ライブが終わっても、ショーンは踊ってた、歌う事、人を幸せにしたい気持ちでぱんぱんに溢れているって、そんな素敵な人だと思った、西村さんは、

「これから(打ち上げ)が長いんですよ」

 とニヤリ、どうか体調に気を付けて、明日からも楽しいライブを見せてくださいね。

 とにかく気持ちよかった、街はもうすぐクリスマスだ、誰もが誰かを幸せにしたくて、街を駆け回っている、人は人を幸せにしようとする、だから気持ちいいんだ、僕も君も、誰かを幸せにしたくて、くだんない人生を続けてる、それでいい、それでいいんだ、来年も西村さんと会えたらいいなあ。

 僕は、酔いつぶれた友達は死ななかったろうな、などと思いながら、なんだか寂しく一人某ライブハウスを後にしました。(しおみ)

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 20世紀最後の夏は、なんだかおかしい夏だった、末期のガン母は「あんた、旅に行きなさい」と僕に言った、若いころほったらかしにしてたから、お金くらい出すから、わたしの身の回りばかりで疲れるじゃろう、母のそんな優しい言葉は生まれて初めてで、最後のものだった、自分でも分からないまま母は亡くなった、葬式を終えて僕は旅支度を始めた、ぼくらが旅に出る理由、そんなものはいらない、目的なんていらない、ただ、出てみれば見えてくるものがいっぱいある。

 8月4日、フィルターナイト

 お台場にある、ウカレ系の会場で僕は電話を待っていた、もしからしたら会場で会えるのではないかと、淡い、あさはかな感情をむき出しにして、僕は待っていた、もしかして、なんて思って声をかけようかと思う後ろ姿がいくつもあった、だけど、結局僕はいつもひとりだ、しかたない、そんな事より、このイベントを楽しもうじゃない!

 とポジティブになってみたもの、会場は、ギャングスター風の警備員、タトゥ有りな店員、かなり許せない感じではある、中に突入してみると、オールスタンディングのはずがなぜかパイプ椅子が並んでる、ま、いいや、椅子に座ってじんわりしてます。

 カッブル率高いなあ、辛いなあと思ってたら最初のChewyが始まる、スイスのウイーザーと称されるパワーポップバンド、ダブルギターのラウドな演奏が楽しめました、やたらキメが多くて、止まるとこはカチッと止まってかっこいい!ボーカルの人はどんな激しい演奏の時もメガネをズリ落とさせない、まさにメガネロック!ギターの人はあやしい日本語を羅列した後、ロポットみたいな変な動きで飽きさせない。

 ちょっとアレンジが屈折しすぎで乗りにくい感じが弱点だったけど、楽しかった、このイベントは、時間が厳しいらしく、ライブの時間がきっちり決まってて、最後の曲の終わる瞬間まで、ボーカルの人が時計を気にしてました、終わった瞬間に、チラって時計みて、やったぜ!にんまり!ってかっこよかったよ。

 DRESSY BESSYは、CDのまんまのキュートガレージポップ、曲は、全部3拍子で、ファズギターが絡むシンプルなステージ、とはいえ、ボーカルのタミーちゃんの可愛さに誰もがノックアウト、ぴょんぴょん飛び跳ねて、他のメンバーの野郎どもがへばってるのに、おかまいなしにハッチャキまくる魅力に惚れますよね、ちよっと体型が豊満だったけど、全然オッケーですよ、ていうか、ちよっとおデブな方が可愛いです、抱き締めたら柔らかくて気持ちいいし、ああ、何考えてんでしょう、駄目ですねえ。

 BIKERIDE、このバンドを見に来たんです、他なんか全部オマケってな気持ちです、でも他も意外とよかったので嬉しいけど…。でBIKERIDEだ、あの音をライブでどうやって再現するのかが期待だったんだけど、健闘しましたよ、トランペットまで持ち出して、ブーラドリーズを彷佛とさせるポップ爆発のライブだった、ボーカルの人の自動車工場の制服みたいな服にバラの刺繍、ギターはCDと同じラメ入り紫ジャガー、37のステッカー入り、で、演奏が早い、正確、声もちゃんと出てる、エリック&アンジーの、あのパラパラッパってのもちゃんとやってくれたし、曲によってはプログレみたいに難しい展開で見せつけてもらったし、パラソルのあのパラパラパラパラパラパラパラってイントロも再現できてて大満足、とにかく、一緒に歌える満足感って何よりだよね、ライブならではの醍醐味、それも、BIKERIDEなんてこんないいバンドいないよ、どこ探してもいないよ、そんなバンドのライブで合唱できる幸せったら無いです、最高です、ちょっとサブギターの人のスキンヘッド&眉剃りが怖かったけど、逆に彼の妙におびえたステージアクションがよかったりして、とにかく最高、フルステージ見たいです、また来日しろよな!

 Lynus of Holywoodです、CDではブライアンウィルソンチルドレンって感じの彼もここで、一人で弾き語りのステージだとまるで違います、真剣で生身でただひたすらいい声で、結構客受けよかったです、僕も全く期待はしてなかったけどちゃんと聴いてしまった、ただ、一緒に連れて来た彼女が眠ってしまって、起こすべきか、拍手するべきか複雑な心境になってしまった…のは、となりの彼ですが、僕は気楽に拍手しました、英語が分からない馬鹿な僕ですが、それでも、もっと歌詞をなんとかしたほうがいいんじゃないの、ってよけいな意見を思ったりもしましたが、いいでしょう、イエローバルーンのカバーも楽しく、路上系ソフトロックという新たなジャンルを切り開いてる感じがして頼もしいです、がんばれー!

 最後ですが、Of Montrealです、正直、期待もなかったし、カジ君のDJが場違い過ぎたので帰ろうと思ってました、でも全て間違いでした、オブモン、惚れました、凄過ぎです。

 とにかく音がブあつい、胸にガツーンとクる、で、ボカールがヘボヘボでまたガツーンと来る、キーボードの女の子がハッチャキ大爆発、やたら踊って、いろんな楽器をブヒーって大活躍、ほんとに楽しそうで、演奏する事を楽しもうとしている、音楽というあたりまえの事を素直に、嫌味なくやってしまってる、かっこいー!、可愛いー!、凄いー!

 曲も一筋縄ではいかない複雑な展開、それが息苦しく無く、自然に展開されるのが素晴らしい、彼らは、こんな下らない馬鹿馬鹿しい事を自然に、一生懸命、楽しもうとして演奏している。僕にとって文化とは、実はそこなんだ、これほどの演奏をみんなで楽しむ姿勢、それが知性なんだわ。

 ライブの合間にはモンティパイソンばりの寸劇があったり、アートワークを手掛けるの弟のDavid君がお面をかぶって水鉄砲を打ったりして、それでバスドラにあわせてKevinが倒れたりして(まるで、可愛いドアーズ?もしくはモンティパイソン?)、至上最高の学芸会といった赴きでした、最後の曲では、スタッフの女の子がナレーションを読み、演奏の最後にDRESSY BESSYのタミーちゃんがタイコ叩きながら登場する演出だったみたいだけど、タミー嬢がまんできなくて途中で出て来たりして、曲の進行上おかしいんだけど、まっ、いっかあ、ってな感じで、ラストへ。

 「そしてみんなは、この歌を歌った」

 というナレーションで、いかん!涙があ、オブモンごときで涙があ、いい大人がこんな事で、でも、でも、ほんとに泣きたいから、俺は感動して泣きたい、DRESSY BESSYのタミーがまたでき来た、エレキベースの連中もBIKERIDEも、みんな出て来て花輪(レイ)をかけてみんなで踊ってる、いいなあ、なんていいんだ、いいとしか言えない、音楽ってさ、いろいろうざい事無視したらさ、やっぱ、ここなんだよ、やべえ涙が止まらん、涙が止まんない。

 ライブが終了して、誰もが、言った「泣きそうになったよ」「なんで泣けるのかなあ」「へたれロックオーケストラって感じだけど、そこがよかったよね」みんなわかってるじゃない。  帰りの「ゆりかもめ」からの夜景が凄く綺麗で、でも向かいに座っていた青年は泣きじゃくっていた、何が理由か知らないけど、彼は「ゆりかもめ」で夜景を見てラブラブなカップルの間で涙と鼻水をダラダラに出して、獣みたいに泣いていた、そんな時もあるさ、と、いつも一人の僕は思った。

 その夜は新橋のカプセルに泊まって、始発でサマーソニックに向かった、電車にはロックンロール少年や、ロックンロール少女がいっぱいだった、山梨の緑が綺麗だ、こんなに近くに来ている、それなのに会えないのがもどかしすぎる。

肝心のサマソニの部分は、購入してから読みましょう。

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林邦洋 all disc review

「思ふ事」 MAGL-3001
 これが最初のシングル、4曲入り、ゆるいブレイクビーツに乗ったクリスマスソングの艶っぽい言葉のグルーヴ、マイブラっぽい不思議なラブソングに林独特の言い回しが咋裂する「思ふ事」、いつの間にか心に入り込んで楽しくなっちゃう、ポワポワ〜になっちゃう、そしてついに聴こう!「目黒にて」だ、実際に体験したとしかありえない歌詞の後のギターソロ、これが凄い、失恋を経験した全ての人へ、愛する人が突然いなくなって二度と会えなくなったあなたへ、もう聴こう!魂をひっくり返すようなこのギターの音、これを聴いてないと話にならない!続く歌詞はこうだ、「夢を見させてくれてありがとう 本当は夢では無いけれど そしてこうして 生きてける事 今もずっと考えている」もうっ!ナミダもハナミズも一緒に出そう!

「春雷」 MAGL-1002
 一番好きな次のシングル「春雷」、例えばオアシスあたりのUKギターバンドを彷彿させる巨大なグルーヴ、絶対に負けない(負けたとしてもだ)強く誇りに満ちた歌詞、そこそこっ!ってとこで鳴らされる絶妙なギター、ああもう…、カッコイイの一言につきます、続く「空に口笛」は、そこらのクラブでかけたらフロアが大爆発するんじゃないかなあ、声、言葉、リズム、演奏それらが全部一体となって飛び込んで来る、そんな曲は滅多にない、人間が生きる為、愛する為のリズムがここに確かに存在する、この歌には光があるんだ、その光が僕らに生きる力を、ほんの少しだけど与えてくれる、だって体が勝手に動いて楽しくなっちゃうよ、チューだってしたいよ、デートだってしたい、かくいう僕が一番好きな曲、林邦洋との出会いの曲、絶対一生忘れない!これほどの曲は世界探したってそうは無いですよ。

「ヘブンステージ」 MAGL-1005
 三番目のシングル、象さんギターを持った林くんが最高にかっこ悪いジャケが逆にクール!一番ロックしてます、ライブで大暴れ出来ます、やみつきになります、2コードのシンプルだけど爆発的なナンバー、「いかがなものか」「おりしも」だの、林以外にはありえない言葉使いも最高に気持いい〜!CDだから擦り切れないけど擦り切れるくらいリピートして聴きました、で感動しているのも束の間「No more Rock One more Rock」での歌詞「そこで立ち読みしてる少年よ いまこそ ギターをかまえて 撃ちなさい 人の胸を」というキラキラしたくだりも出てきて唖然「まだ人間が聞いた事のない 歌を聞かせてよ」そう、すでに林邦洋の視点はそんなとこまで行ってしまっているのだ!スゲェー!ついて来るなと言われても、ついて行きますよ。

「HIT AND RUN」 MAGL-1006
 今まで誰も言わなかった事を、当たり前のようにポンッとぼくらの前にほうり出してくる、僕はそんな人が大好きだ、だって僕には出来ない事だから、そして林くんもそれをやってのけた、ニールヤングみたいな強くて、でも泣きそうなメロディ、そしてアメリカンニューシネマみたいなどこか刹那的で、だからこそ、普遍的な愛だの、青春だの、人間としての尊厳がバシバシ頬を叩く歌詞、泣くもんかあ!「愛するものが消えかかる時」「自分に嘘をつきかけてる時」そんな時にはこの歌を聞こう、そして走ろう!ハハッ、もう止まらない、歌声に乗ってどんなとこでも行けるはずさ、君となら、君と一緒なら。

「支離滅裂」 COCA-15382
 そして待ってましたのメジャーデビュー、5010年の彼方から差し伸べる手は60億を超えたのか!まさに「支離滅裂」な僕らの日常を闊歩する表題曲は「真夜中の王国」のテーマ曲に選ばれた!わー!旗立てちゃおっと、エイッ!続くは、自分の彼女の実名をそのまま曲名にしたすっげーラブソング、「顔より性格、実のとこ見た目に一目惚れをした」愛ってこんなんだよね、ほんとはわね。「ひかりやぬくもり 君へと向かう その他の悲しみも君へと向かう 君へ 君へ君へ」そうなんだよね、愛ってこんなんだよね、すっかり忘れてた、愛さなくては、もう、僕らにはそれしか残っていない、それで十分、君が笑う、地球が回る、おやすみなさい、ありがとう、僕の最後の言葉、そして、そう、愛が残った。


ポップオタク回想録「桃尻娘」

 新宿の雑踏で別れる時、僕にだって素敵な未来があるって思えてきた、だから、

「またね!!」

 こんな素敵な一文に惹かれて読みはじめた「桃尻娘」シリーズ、橋本治が80年代に書き下ろした、一代青春サーガ、あいかわらずなーんにもない僕らだけど、でもさ、読んでみようよ、80年代も00年代もないんだよって分かるはず、どんな時代でもみんな愛おしく馬鹿らしい青春ってモラトリアムをジダバタやってて、それが生きる為の道しるべだったり、灯台だったりするんだ、暗黒の闇の海原で手をとりあって泳いでる僕ら、それでも泳いでいかなきゃならないなら、導く光が必要だよ。

 桃尻娘こと榊原礼奈は、ちょっと頭が良くて、そのため口が悪くて、社会的には「普通の女子高生」のフリをして、退屈な日常をなんとか乗り切っている、瓜売小僧こと木川田源一は、気楽にホモ売春をしている、無花果少年こと磯村薫は、やけに接近して来る榊原さんを「ウザい」と思いつつ、ほんとは誰かを愛している。温州蜜柑姫こと醒井涼子は、天然で風俗店を営む両親の血をしっかり引き継いだお嬢様だったりする、これが「桃尻娘」の主要メンバーだ。  デビュー作の「桃尻娘」は、もともと劇作家を目指していた橋本らしい、端切れのよい毒舌が芝居の台詞の様に畳み掛ける、第2話の「無花果少年」での展開の素晴らしさは凄い、自分をレイプした女が兄貴の彼女になって家に現れ、悔しさのあまり「あの女を今度は俺がレイプしてやる」といきがる磯村くんだったが、その女が今度は磯村くんに惚れてしまい、いつしか関係が逆転して、その彼女が「あー、これかーいー。」ベタベタ、磯村くんは「ウザい」とシカト、そして泣きながら電話をかける彼女、「兄貴に変わるから」と冷たく拒否、兄貴「どーなってんだょ」ともう目も当てられない状況へ、で、あのラストシーン!

 例えば大島弓子あたりの少女漫画の過激な部分を演劇的な台詞の畳み掛けで強引に押しまくる手法で小説に還元し、世間をあっと言わせた「桃尻娘」の第二作「その後の仁義なき桃尻娘」は、高野文子による素晴らしい表紙にまず圧倒される、その後の岡崎京子に与えた影響はかなり大きいと思われる、というより、これって岡崎京子じゃないの?ってまず思った、時代の空気を吸収しつつ、まるで気負いの無い絵を再現できる力、高野文子の起用は「桃尻娘」に多大なる影響を与えていると思う、個人的には高野文子の名作「絶対安全カミソリ」をブックオフで探しているが、今だ見つからない。

 で、「仁義なき…」だが、これは、はっきり言って傑作です、最初に読むにはこれからをすすめたいです、「桃尻娘」はサブカル馬鹿に翻弄され、温州蜜柑姫こと涼子は、熱海で瓜売小僧こと木川田源一の彼氏に惚れ、天然パワーで麻雀に参加したり、源ちゃんは、そんな事しらずに「せんぱ〜い」って言ってたら、 醒井と先輩が関係持って子供できてたりして、「あー、わがんねー!」ってパニクッて、でも醒井のために病院行って、先輩呼びに行ってる、で、あんなに、あんなに、あんなに愛した先輩がさ、来ないんだぜ!なんで来ないの、先輩、なんで来ないんだよ、醒井さ、病院いるんだぜ、先輩!

 言い訳を考える源ちゃん「先輩これないんだってさ」「やっぱ先輩無理みたいだって」とか言ってさ、それでラストのあの台詞、俺、俺、情けないけどさ、文庫本床に叩き付けたよ、バンッ!って音してさ、負けたよ、「桃尻娘」史上最も感動的なシーンです、それは、あくまでも、演劇青年「橋本」としての最高傑作だったと、僕は思う、そして、これ以上の感動は無いって思ってた、だけど違ったんだなあ、橋本はやったんだよ。

おっとここまで!あとは、購入してから読みましょう。

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