POP GOES ART! VOL.19



CONTENTS

Spearmint INTERVIEW

Mercury Rev live REPO

Kinder core records INTERVIEW

Kleen Ex-girl Wonder LIVE REPO

Modest Mouse LIVE REPO

Lil' Red Wagon Recordings INTERVIEW

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ボーナストラック


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★ スペアミント・インタビュー!! ★


●先ほど、哀しい歌でも皆で分かち合うことで高揚感が味わえるという話がありましたが、どちらかというと後ろ向きな感情を表に出して分かち合うことで前向きな感情に変えていこうというのが、音楽をやる理由のひとつだとは言えますか。

シャーリー そうだなぁ……、歌詞に関して言えば、書いている段階では特に他人に聞かせることを意識していないんだ。ただ自分の気持ちを表現したいだけ…、どうしてなのかわからないけど、そうせずにはいられないような衝動がある。書いてしまうと、確かに気分は良くなるしね。僕にとってこれはひとつの自己表現だから、たとえ他の誰の耳に入ることがなくても続けていくと思う。それを聞いて共感してくれる人がいるというのは、オマケみたいなものさ。もちろん、僕もよけいにうれしいけど。

●あなた方の音楽を私に教えてくれた人は、「これが本当の音楽というものだから聞いてみろ」と言っていたのですが、私も昨日のライヴを観て、その意味がわかったような気がしています。人間誰しも完璧じゃないけれど、ミュージシャンもまた完璧じゃないし、別に侮辱するつもりはないんですが、ミュージシャンはもしかしたら普通の人間以上に完璧じゃないかもしれない…

シャーリー  うん、わかるよ。

●その完璧じゃないところを補おうとして作っている音楽という感じがして、だから悲しいけれど、「みんなそうじゃないか」って踊って不完全さも何もかも祝福しちゃおう……っていうのが、あのライブだったような気がするんです。

一同 ありがとう、うれしいよ。


続きは本編で!

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マーキュリーレブ 3/7 心斎橋クアトロ

 目の前を見ろ!何が見える?エスカレーターギャルとDJホンダのTシャツを着たマッチョマンがキスしてる、オーノー!。
今日はマーキュリーレブの初来日だよ、大阪は雨だよ、ここはクアトロだよ、会場はいつもより平均年令ちょい高めかな、そんな会場ではハイラマズが客入れに流れてる、ぼくは今日はおちついてじっくり楽しみたいのでテープルに座っている。7時という健康的な時間帯にライブスタート!メンバー登場!ジョナサン、

なんとおもむろにチューリップをとりだし、客に投げてアピール!

しかしなぜチューリップなのかな、薔薇とかの方がいいと思うけど、そこがマーキュリーの味という事で、メンバーの平均年令もちょい高めかな、ベースの人が若くてハンサム、キーボード2台、ギター2台という豪華な編成、紅一点のフルートの女性はいませんでした、もしや脱退?ジョナサンは普通のシャツに普通のパンツ、でもリストバンドがワンポイント、きっと来日の為にがんばっておしゃれしたんだろうな。グラスホッパーさんはギターウルフに影響を受けたような皮ジャン、リーゼントでロック、まあそんな愉快な人達です。
さて、一曲目は、なんとtonight it snows!うわーっ、どうしよ?どうしよ?これ来たよ、来たよ、はじまっちゃったよ!音のバランスも良くて、演奏もアルバムよりタイトで引き締まってて気持ちいいし、ジョナサンの声がまた、優しい、もう、いいんです。ベースが

ぶーん、ぶーん

って胸に直接響いてくる、ドラムがドンッドンッって涙をふいてくれる様で、身体で音楽を感じる事が出来る。ジョナサンこんなに心優しい歌を聴かせてぼくのココロとカラダをもてあそんだ上に、なんと、ニヤリ、ギターがシュワンシュワンいってる、ギョワワワとかやってる、

キャー!

もう好き、好き、愛してる。グラスホッパーも

「俺の出番だぜ!」

とばかりソロになると無骨なルックスと反比例した優しく、弱く、本当は強く、胸を焦がすようなメロディを大放出したあげく、あの魂を揺さぶるギター、そう、ヨラテンゴみたいな「本当の音」をきゅわんきゅわん鳴らせて、もはや、これは泣くしかない。2台のキーボードが変な音を鳴らしたり、堅実なバッキングに徹したりと、お互いをフォローしつつ、曲を壊したり支えたりしている。つまりは、これは、滅多にない「本物のバンドの音」という事なんでしょう、ぼくは「はちみつぱい」という日本のバンドを思い出したりした、バンドのグルーヴというものはただたんに踊れるとか、演奏がうまいという事では無い、絶対に。そのメンバーがその時でしか出せない音を出す。というのが本物のグルーヴなんですよ、きっと。
 グラスホッパーさん、曲途中でテルミンを操作、あのオバケの音の正体はやっぱりテルミンだったのだ、テルミンの空中演奏の途中、ジョナサンがギターでちょっかいを入れる、

ヒュワン!

そしてグラスホッパーとジョナサンは目と目でニヤリ、かっこいい〜!

がっごいい〜!

映画みたい!!好き!好き!どうしよう、

ラブ大爆発!

新作から甘い曲を放出した後に昔のかっこいい早い曲もやって、ズンタタズンタタってステレオラブみたい、ホークウインドみたい、かっこいい!言葉で説明できるもんじゃないね、これは、だって本当に好きになったらそうなるでしょ?kheerの加茂さんのあの名セリフを噛み締めようよ「説明出来るくらいの「好き」なんて、所詮その程度のものなんじゃないだろうか?」ほんとにその通り、その通り。
 ありゃ、ブコウスキーが飲んだくれてそうな店で流れてきそうなピアノの曲がはじまって、グラスホッパーにスポットがあたって、ハーモニカを鳴らす、粋だねぇ、と聞き惚れていたら、リズムが入ってきたとたんにロックになって、ジョナサンがショワワワってやりだして、照明も真っ赤になって、凄い演奏、熱い!でも楽しそう、マーキュリーってカルトとか伝説のサイケバンドとか言われてるけど、どこが?って言いたくなるよ。ヤン富田さんのCDの帯にも書いてあるよ、「難しい内容ではありません」そうそう、ぜんぜん難しくない、サイケとかヤバイとかなんとか難しい言葉ばっかり使って、楽しい事をつまんなくしないで欲しいです。で、ジョナサン床を這い回ってギター鳴らして、子供みたいだし、みんなもほんとうに演奏を楽しんでる、楽しそう、で、ぼくらも楽しい。でそんな大暴れの後にクルッって振り返ってopus40をやる、opus40をやったんだ!もう、全ての音が狂おしいほど愛おしい、愛し愛されて生きている!とかそんな想いが体を駆け巡って、もう、幸せです、マーキュリーは幸せ。2度目のアンコールもシャツを変えて出てきたし、サービス満点の最高のライブでした、こんなライブはヨラテンゴ以来です、ほんとに心から思う、いいバンドだなって。
 ライブが終わってからも、あちこちから「もう大満足」とか「人生ベスト3に入るライブだったよ」とか「スピチュアライズドのライブがかすんだ」とかみんな満足で、楽しそうで、よかったな、また来年も来て欲しいな、絶対行く、また会えるよね。(しおみ)


祝!初来日マーキユリー.レヴ

in新宿リキッドルーム’99・3・4

 会場についてから知ったんやけど、いつの間にか前座が決まっていた。それが、ブライアン・ジョーンズタウン・マサカー。さて、このUK新人、総勢6人もいてはります。モミアゲもっさりの二人はいきなりウケとります。

キャラ立ってんなあ。

循環3コードをギター3人でやりはじめる。やる気なさそうなタンバリン担当のあんちやんもリズムはぱっちりキープ。結構かっこいい。ギター一人がハモンドに移ると、さらにかっこいい。なかなかいいグルーヴなので、踊らされてしまう。ラストはなにやらMCでスペースメン3とかゆうてたのでカヴァー(多分)です。急違やることになったようで、ステージ上でのやりとりがおもろい。これがまあ、若いバンドらしく大暴れ!フィードバックは当たり前、ギターにビールかけて擦ったり、がらは悪そうだけど、まあええんちゃうんかいな。見れて良かったと思った。
いよいよ、マーキュリー・レヴの登場。感激の拍手の中、

おっさんが5人

アレレレ!

紅一点スザンヌさんがいな一い!

これは痛い。

オレ的にかなり痛い。あのギターサウンドの中のフルートの存在感はかなりでかかったのにい。

とはいえアルバム通りにスタート。ある程度予測してたとおり、バンドサウンドでせめてくる。曲の中頃から徐々にせりあがってくるギター、無数のエフエクターを自在に操り、ときにクラプトンぱりのフレージングやサーストンばりのカッティングをみせるグラス・ホッパーさん。かっこいい!コステロみたいな格好してバッタもんのコステロというギャグなのか?存在感はライダーズの良明に近いものがある。ジョナサン・ドナヒューも歌うときは控えめにギターを弾くものの、いざインプロゼーションに突入となれぱさすが元バットホールのプロモーター、

がっつん、ガッツン

ギター弾いとります。音もデカいし。新作はともかく、前作まではアレンジが曲を超えている印象があったので、今回ライヴで前作の曲をやったとき、情けないことにわかんなかった。やけに50’Sな可愛い曲、知らんけどとか思ってたら、前作の曲だったりしてました。

アカンなあ。

曲といえば新作のかなりテンポのおそい曲もややロックしてて、”オーパス40”とか大好きな曲なんで、もう、むちゃくちゃ暴れました。”ゴッデス・オン・ア・ハイウェイ”とかもあの、めちゃくちやに盛り上がるサピのとこね、バンドの方もここぞとばかり、音の大洪水、手かざしテルミンもきゅうううんとかいうて、

たまらん。

そうそう、キーボードがふたりいてて、音響と音階と担当がしっかりわかれてたな。ほとんどの曲でラストがインプロゼーションに突入していくのがもう凄いやら、かっこいいやら。デットと初期ピンフロがぷつかってるような、完璧さを求めるより、いっちょなんかおもろい事、やったろやんけ的な良さ。とはいうものの、いたるところでアメリカの伝統音楽のにおいもあって、そういうところもバンドの懐の深さと言うか自然に出てて、好きやなあ、こういうバンド。それにしてもフルートは・・・・。(トシ)

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★ KINDER CORE INTERVIEW ★


プロペラのイイハルカくんが、キンダーコアにインタヴュー。


僕は凄くこの記事の事で興奮しているよ.僕らは凄く凄く日本の事が好きで,実際日本のPRART/Philter recordsとライセンス契約をしたとこなんだ.僕ら日本でツアーもしたいと思っている.それができれば僕ら最高だよ.

■キンダーコアの設立はいつ?どうしてはじめたの?

1996年に始めたよ.ライアンと僕はアセンズにいて大きな「シーン」が育ってきている事に気がついたんだ.アセンズには凄いバンドがいっぱいいたんだ.僕らはそれを記録しておくために"Treble Revolition vol.1"をリリースしたっていうのがはじまり.

■「キンダーコア」って名前はどうして付けたの?

「子供ハードコア」って付けると楽しいかもとおもって僕がつけたんだ


続きは本編で!

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クリネックス・ガール・ワンダー改めクリーン・エクス・ガール・ワンダー奇跡の来日!!


99/6/16 渋谷クアトロ

 来おった、来おった!世紀のアホか?はたまた天才か?と物議を一人で静し出していたファーストアルバムの頃とは打って変わっての人気者になって。若い女の子がめっちや多い会場、お兄さんの目はまるでスケベ!変態!サル!泥棒!

(どうしよう、トシくんが壊れたよー、近藤さん助けて!←しおみ)

こんな事書いてるからもてへんのかなあ。まあ、ええわ。ようない!そやけど、グラハム・スミス君モテモテやわ。ええなあ。サードの内容からすれば当然か、アホっぽいとこほとんどなかったもんなあ、でも、それを上回る、屈指のメロデイライン、ギターカッテイングのかっこよさはやつぱ凄すぎるもんがありよる。特にギターカッティングには、さいっしょからヤラれてたもんな。今日それが生で見られる、ホント、見られるとは思いもせえへんかったから、めっちゃうれしい。登場の仕方がまたニクイ。

3rdの曲、TENDENCYRIGGHT FOOT FOR WARDのイントロをサポートにやらせて、ここっ!って時にジャジャジャジャーンと登場!アホかこいつは!でも、かっこええぞ!どっちやねん!謎のダブルベースを従え、気合いの入った、骨太なサウンド!も、もしや?続けざまにGLANDER’S BIENNIAL!エレアコ抱えたグラハムあのギターカッティングを見せる!ジャージャッジャッジャガジャカジャガジャカ!!うおおおおおおおお!!燃えるるるうう!もうしらん!

大爆発や!

ロックやあ!

ワタシこの曲レコードで聴いた時点でなんかスピチュアルなロック魂感じとったんやけど、ホンモンや思いました。そして、グラハムも一言!

「ローック!」

しかも、キマってんだか、キマってないんだか、ようわからんガッツポーズつけて。これや!この勢い!ポップでロックでめっちゃめちゃかつこええがな!!基木的に一人ユニットやから前のアルバムの曲とか出来へんやろなと諦めとったら、2ndのFIVE MINUTESやってくれて、もう、

アカン!

思わず合いの手、勝手にいれてもうた。

「アェウオェ一!!」

とか勝手に叫んでただけ、やとおもうんやけど、もうあんま覚えてない。タマシイが暴走状態。そやけど、隣のロックなアンちゃんもいっしょにつきおうてくれてて、めっちゃくっちゃ楽しかったあ。グラハムのシャウトは赤ちゃんがこの世に生を受けた瞬間のような、スピチュアルな絶叫!ときどき疲れとったけどな。聴かせるうたの時は弾き語りになってみたり、バンドとやるときは、思わずロケンロールなアクション。

狂ったように暴れるオレ

は関係ないか。

アンコールも2回も答えてくれて、しかもバンドでやる持ち歌が切れたのか、2回目は一度やった曲をやったんやけど、もう大変、客は後ろから突進してくるわ、これでほんまに終わりやでええ!とめっちやテンション高いメンバーの面々。ステージからものを投げるギタ一君もよかったなあ、もう、最高!!(トシ)

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モデストマウス


5/31 モデストマウス in ペパーランド

 会場で、CDを売ってる人がいて、その人と話してたら、腕に偽ロレックス(クッキーシーンVOL.6参照)が!

「もしかして西村さんですか?」

「そうです」

ニッシーさん自ら机を運んで営業開始です。そうしたら小さくて可愛い女の子が来て「あの〜、当日ありますか?」と僕に聞く、「あ、僕も当日待ってるんですよ」とスタッフと間違われたのだが、とても嬉しい(馬鹿)。

 一回家に帰って夕食を食べてから戻ると、ニッシーさんも推薦していた「N-16」という京都のバンドが演奏してた、しっかりした男性ドラムをバックに女の子二人が一生懸命演奏&歌う、なぜか愛を感じる、ちょっと、いや、かなり骨抜きにされながら見る、

可愛いなあ〜

で、「テープを100円で売ってます」と言ってたんだけど、もの凄く欲しかったんだけど、…恥ずかしくて声かけられなかった、…後悔無限大(やはり馬鹿)だって

バリアーがあってビリビリと…。

 まあいいとして、「モデストマウス」はヤングアメリカン3人組、最初は神経質なギターとやたらデカイ声がなじめず、ああ「N-16」可愛い〜、とか思って、最前列にいる

「N−16」のメンバーの後ろ姿を見てたり

(靴下にラインが入っているとかそんなとこまで…)

 ともしてたらしだいにエモ〜んな曲と、ジョンスペなみの馬鹿大爆発なロケンローが交互にやって来て、なんか面白くて笑ってしまって、楽しくなってきた、ベースとドラムだけになって、ボーカルの人がギター置いて、マイク片手にフロアに降りて歌いはじめたり、ギターにマイク仕込んでるのか知らないけど、ギターに顔くっつけて叫ぶと、アンプから声が聞こえてきたり(これはエフェクターを全開にするとギターが声を拾っちゃうんだって。)、感極まって大暴れしたり、泣きそうになったり、マイクの位置がズレると、すかさずニッシーがあらわれ直していく(歌舞伎の黒子の様だ)、会場にいたアメリカ人の客にMC説明させるし、いやあ、凄い。

 アンコールでは、またアメリカ人の客に説明させ

「エモ〜なソングと、うるさいソングと、どっちがイイデスカ?」

すると

「うるさいの!」

しばらくして

「ノー、クワイエットソング」

とぽそりと言う人もいて、でも、

最後はラウドに爆発!

耳がキンキンする。2時間に及ぶ若さ爆発のライブでした、あのパワーを人類の平和の為に役立てれば世の中よくなるかも?なんて思わせる分裂ポップでした。
 ライブ終わってニッシーさんに名刺を渡すと「すべての謎がとけましたよ」などと名探偵コナンみたいな事を言われた。その後イヤ〜な事もあったけど、モデストマウスの馬鹿パワーとニッシーさんの人柄と、N-16の可愛さがあったので、しばらくニコニコして、楽しい日々が送れました、あ〜あ、俺って本当に馬鹿。(しおみ)

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★ interview with indie pop ★


おなじみキエンの福島さんが、いろんなINDIE POPのレーベルやバンドにインタビューするコーナーです、今回はカナダのレーベル、 Lil' Red Wagon Recordingsにインタビューしました、彼らのHPみて興味もたれたらぜひ購入を!


http://www.freespeech.org/poploser/lilredwagon/

195 Denis toun St. #203, Welland, Ontario L3C 6P1, CANADA
abbott@itcanada.com


以上なかんじのVOL.19、欲しいかたはご連絡を!


POP GOES ART! 1999.8月発行 POKET HONEY LABEL.CO


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ボーナストラック

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review tips


さよならストレンジャー/くるり
 試聴で「東京」を聴いて、涙がボタボタ落ちてきて、気がついたらレジの前に!…あいかわらず馬鹿です。これはギターポップにあこがれて東京へ出て来て、いつの間にかまわりはハッピーチャームになってて、久しぶりに彼女に会うと結婚して姓が変わってて、…もう、死ぬしかないなって、そんな状況下で作られたに違いない!!!(邪推もいいかげんにしろ!)純粋さとおおらかさ、ドメスティックな独自の世界観を作り上げながらも常に前向き、ハイラマジーな、ジムオルーキーな曲もあったりして、実に清々しいバンドです。ほんとはトシくんがレビュー書くはずだったんだけど、「…今、くるりは書けない」一体どーした?(しおみ)


「コインロッカーのネジ」文庫本2〜3巻 こなみ詔子・著

それから数日、僕は現実感の無い日を送った

起きているのか

寝ているのか

夢なのか

現実なのか

だが、庭の椿の花が、全部雪の上に落ちているを見て、初めて泣いた。

…愛していたんだ。

それは事実で、避けては通れない感情だった

僕たちは、この気持ちをずっと抱いたままでいて、いいんですね

それくらいは許してくれるんじゃないかと思うんです。(本文より)

 けなげで馬鹿なぼくらの気持ち、はかなくて、でも決死の気持ちは必ず何か別のかたちとなって残る、それは残るんだよ。今回2巻3巻と続けて文庫本化されて、読んでみて、そんな希望(希望ともいえない程の矮小なものだが…)を持った。(しおみ)


welcming morning/チャッピー

「今月の「リラックス」グルビが特集だから、しおみくん買った方がいいよ。」

と電話の向こうからの声。

こいをするぼくの

「くうそう」

がせかいをせいふくしてなにもなくなっても

ぼくは

「このよのおわり」

をこえてきみにあいにゆく

おいかけるぼくの

「おもいで」

があるひ

「とき」

をおいこし

「あのよ」

にとどいたら

ぼくはこの

「ちから」

でつくった

「たから」

「ひかり」

にてらし

「えいえん」

をてにいれる

「かなしいときぼくはとべる」

「はかないいのちてんにゆれる」

映画「サムライ・フィクション」の中で

「魂は三百年たつと生まれ変わる」

と言っていた、

…三百年なんてあっという間だよ!

そんな気持ちを強く、強くぼくに信じさせてくれる魔法の歌。

「リラックス」は休刊し、

もう、二度と電話はかからない。

(しおみ)


ポップオタク回想録[芽衣子とウーマン・オプ・ザ・ワールド」

 その時、僕は遊廓にいた。 凛とした女の子の眼。吸い込まれるようにして暖簾をくぐった。事が終わった。刹那さと援い後梅を枕元に残したまま、下着を履く。日常的な会話以上でも以下でもない時間一杯までの数分のやりとりは苦痛である。このまま一刻も速くこの場を立ち去りたい気持ちで面倒くさそうに話をする。それにしても、君は綺麗だ。夜の闇を切り裂く眼。それはとても眩しい。君みたいなコは、お日様の下でハミングすれば良いではないか。しかし人それぞれ事情がある。面倒くさい会話が続く。彼女も煙草を吸い、事務的に話をする。何がきっかけだったのか忘れた。数分間のやりとりで、ふと映画の話になつた。曰く

「ワタシ、映画が好きで、特に昔の日本の映画が最高」

曰く

「野獣派って呼ばれてたころの加賀まりことか。あとタイポグラフィーにも凝っていて、お客さんに昔段なにしてんのって聴かれたら、習字ってゆうねん。そしたら変な額されるねん」

吸い込まれそうな眼は、遠くを見掲えている。こんなコもいるのだ。僕も知っていることを総動員し、彼女にまくしたてる。邦画ならATGとかが凄いよねだのと。

 彼女と僕のチユーニングが合ってきた。終わったあとで(笑)。
 遊郭でオタク談義、変に打ち解けた。

「いいから、いいから。あと10分くら大丈夫。」

などと嬉しいことを言ってくれる。
 マニアな会話は娼婦と客の関係に、少しの風穴を開けた。まるで、世界の片隅で知り合ったおなじ母国語を話す二人のように。それが奇妙な安堵感を称え、彼女は屈託のない顔で笑いだす。笑うと本当フツーのコだ。ズボンを途中まで履いた僕もつられて笑う。

 廃屋、畳、煎餅蒲団にレトロな置物。目が部屋中を泳いだ。僕はある映画を思い出していた。そして彼女に告げた。

「女囚さそりっていう映画知ってる?」

「見たことない」

何故か急に恥ずかしくなる。僕の過去が噴水のように一気に吹き出した。面はゆい顔で言ったです。

「いや、別に観んでもええよ。・・・」

 女囚さそりシリーズ。70年代そこそこヒットした映画である。詳しい事は知らない。ただこのシリーズが90年初頭にひとりの大学生を魅了したことは間違いない。梶芽衣子主演である。不幸な生い立ちの彼女がシャバでひどい目に会い罪を犯す。殆どが悪い男に騙されるのである。で、ム所に入れられ選りすぐりの悪い女囚達に苛められる。時にレズシーン。時にバイオレンス。拷問。B級エクスプロイテーション映画である。

(そういえば同時期撮られた和田アキコ主漬「オンナ番長野良猫ロック」はラス・メイヤー作品に通じるらしい。梶も出ている。だれか持ってる人は貸してください。)

 何故かウェットで妙な思念を絡ませてある内容は、痛快でもなくどちらかといえば暗い。何かすっきりとしない。どこだか知らない日本とは思えない砂地で、キリストよろしく受刑者のいでたちで彼女は耐える。耐えて耐えて、で最後に復讐というパターンである。今思い返すと何故この映画に夢中になったのがよく解からない。
 そうだ。映画よりも、僕は「梶芽衣子」にハマっていたのである。大学時代、昭和の面影を残すボロい3畳半二間の学生寮で暮らしていた。時々このフリーペ一バーの塩見君の所へ赴き、女囚さそりの事を話した。その当時、岡本夏生か誰かを主演にした「女囚さそり」がVシネマでリプロダクションされていて、僕は激怒していた。「あんなの芽衣子にくらべればクソだ」と本気で憤慨。多分暇だったんだろう。友人にも「さそり」を勧めた。主演が多岐川裕美になる4作品めまで徹夜で一気に観た。友達は眠そうだった。ほかの梶芽衣子主演の映画にもあたりまくった。(僕は梶芽衣子を検索するマシーンと化した。)優しい友達が四天王寺の朝市で偶然見つけた「さそり」のポスターを買ってきてくれた。部屋に貼った。嬉しかった。「ぴあ」の邦画を一冊にまとめた本のちいさなモノクロ写真を切り抜いた。梶芽衣子Tシャツも作った。(少し着る勇気が必要だった。)阿部野のビッグ・ピンクで梶芽衣子の中古レコード「やどかり」を見つけたときは、奇跡だと思った。勿論「さそり」の主題歌「板み節」も入つてる。「女の呪文」は入ってなかった。当時大人気だつた日本のシユールレアリスト(!)吉田戦車のマンガのキャラクターが意味もなく「梶芽衣子」と書かれた服を着ていたコマを僕は見逃すはずがなかった。「吉田〜解ってるやんけ!」と苗字を呼び捨てにし、ほくそ笑んだ。寝ても覚めても梶芽衣子だった。喩えるならタランティーノにおけるパム・グリアーであり、高村光太郎における智恵子であった。芽衣子はディーバであった。

 当時、僕は「女の人」というのが今より、よっぽど分かっていなかったと思う。多分一生本当のことは分からないのかも知れない。だが、奥手な僕は「女の人」を全く知らず、過剰に反応していた。昔から僕は(中島らももそうだったらしい。)、女の人は純粋でか弱く、聖なる存在であると頑なに信じていた。で、一方ではエロ本で股を開く乱れまくった「オンナ」というものを意識せざるをえなかった。「聖」と「俗」が世界の隅から隅へと分離していた。「おんなのひと」自体が矛盾そのものであった。だもんで「おんなのひと」がよく分からず、学生寮に女の子が来ても、過剰に反応し何も話せなかった。大学生にもなって情けなかった。僕は「中学生日記」だった。そんな時はある偶像を神聖化する。それが梶芽衣子であった。日中の彼女は黒装束で、□ングヘアーを正確にセンター分けし、前髪で少し隠れた眼が魅力的であった。でも所講「女」という感じでもなく、格好良いのだ。「さそり」の彼女はたった独りで立ち向かっていた。強かった。弱気な僕にとって彼女は「男」の役割すら演じていた。ゴシックでトラウマで、アングラな劇中の孤独なヒロインに心酢し、屈折した僕は参ってしまったのである。
 それから、何年か後、テレピを点けたら「梶芽衣子のビューティー・トーク」という番粗がUチャンネルで放送されていた。とうのたった彼女は70年代から、90年代の地球へとゆるやかに軟着陸していた。「いやあ、このパウダー、ほんと嘘みたい!若返るのよね!」などとやっている。ほろ若かった。その時は大学を卒業し、就職もし、仕事上いろんな女性とも知り合いになり、「女の人」はトイレにも行くし、変わり者もいる。これはどうやら僕(男)とあんまり変わらんなあということが分かり、昔通に話せるようになるのだった。やがて、恋をしフられた。フったこともあった。みんな寂しいのに変わりはなかった。聖なる存在「女の人」は現実に舞い降りていた。そしていつしかあんなに夢中になっていた「梶芽衣子」のことはすっかりと忘れていた。遊郭のコが言った。

「トモダチになれそう。あっ・・・・そろそろ、時間やね。有り難う。また来てね。」

営業トークだとは百も承知だ。でも、もっと話をしていたかった。

「あの・・・今夜呑み行かへん?あの、やらしい意味とちゃうから。」

「・・・・・・・遠慮しとく。」

あっさりと断られた。それにしても君の眼は綺麗だ。芽衣子に負けないくらい・・。

(アキラホワイト)


POP GOES ART! 1999.8月発行 POKET HONEY LABEL.CO


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