POP GOES ART! VOL.18


CONTENTS

特集:キンダーコア

THE CRBS live REPO

tullycraft interview

BUNNY GRUNT last live in japan

late anork guide

特集:ブーラドリーズ

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ボーナストラック


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大好きレーベル!!KINDERCORE RECORDS

 事の始まりはグリッティキティのアルバムだった。素敵なジャケに惹かれ買った一枚のCD。中身も最高、レーベル名も最高、全てはここから始まった。ささやかに自分たちの足下を見つめて誠実に生きている、そんな彼らの姿が見えるような素晴らしい音楽に出会えた!レーベル名を頼りにいつものごとく僕はブツを探す。

(薄田さんいつもありがとうございます!fromマキシマム・ジョイ)

しっかしこんなにイイとは。とにかくジャケの良さはたまりませんよ!とにかく見てよ!ねっねっイイでしょう。さらに中身も今んとこハズレなし!ザ・グウィンズは謎のGSギタ一入りのほのぼのギタポ。マスター.オブ・ザ・ヘミスフィアは撃沈モノのささやかギター・ボップ、男性ヴォーカルのコーラスにほんの少し青春の光と陰を感じてしまう。最後の曲名「your ship looks like acaptain」これって宝島(from出崎統)とか勝手に思うてしもた。そしてもう爆死モノのオプ・モントリアル!楽しかったり、せつなかったり、アコーティックな音の響きにあわせて、ひとつの恋の始まりから終わりを感じてしもうて、胸にクる。そして、コンピ2枚。クリスマス・イン・ステレオはタイトル通り、クリスマスをテーマにみんなで曲をつくったよ。バニー・グラントやオリピア・トレマ・コントロールも参加してる。んでもって全員そろって即死確実なのがセブン・サマーズ。アメリカだけでなくヨーロッパ、オーストラリアのバンドまでもフォロー。どれもこれもすてきなバンドぱっかり、普通ハズレあるやろ、でもなコレに限ってはそんなものはないんや!そう言い切れる素晴らしい内容。

今回はこれだけだけど、まだまだいろんなバンドがあるのでたのしみ。Kレーベルはいわずもがなって感じやけど、レーベル単位でぼくらをほんの少し幸せにしてくれるなんて、なんか久しぷりで、今もう大好きなんです。
(トシ)

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THE CRABS 11.13.1998 松本ポアゾン

 

なんと言えばいいのか、もはや言葉のはいる隙間なんかハッキリゆうてないやん。でも何とかしてこのライブの素晴らしさ、このバンドの良さを知ってもらいたい。

 少し話を戻させてもらいます。まず、何のまえぷれもなく、Kというレーベルが僕の中ではやり始めた。前から好きなレーベルだったのは確かなんだけどなんかヤバイくらい来てしもうて、まっクッキーシーンの西村さんの連載にあおられたようなフシもある。そんなとき、まさに寝耳に水といった感じでクラブスの来日、しかも松本までやってくる。まるで聞いてなかったバンドなのにまるで熱に浮かされたように速攻でアルバムを手に入れ、聞いた。ドラムとギターだけの死ぬほどシンプルかつ、どPOPな歌の数々、もう大好き!聞いた、聞いた、聞きまくったっソシテ。

 地方のライブなので恐ろしいほどの距離で彼らに接近。まるで心臓が飛び出るほどの緊張と興奮。ほんまになあ、これ冗談ちゃうで、しかもなあゲスト兼サポートでルッカーズ、ソロ、最近ではキャダラカというバンドでも活躍のサラさんもやって来た。男一匹ジョンさんはカッコええナイスガイ、リサさんとサラさんはめっちや可愛いし、もう一目見ただけでウンコもらしそう!(失礼)音楽と人柄が一直線につながっとるやんけ。いやあ舞い上がりましたワタシ?LOVE&HATEなんて最高に盛り上がったし、DEBUTANTEのリサさんの歌声なんて爆死もんやし、次から次へとすん晴らしい曲、素晴らしい人たちの音楽する姿。とどめのサーフロックではミラーボールまで回り始める!もちろんみんなで腰フリフリダンスや。強行日程にも関わらず、アンコールに答えてくれたし、もももももう最高!楽しいいいい!これが音楽っちゅうもんやで!ギターとドラムとキーボードだけの編成だったけど、ほかには何にもいらないと思えた。やっぱり楽器って弾く人が弾けぱ必ず素晴らしい音を奏でるんや!僕らの心を震わすのは音の組織なんかじゃないんだ?想いやねん、押し寄せる想い。(ex山本正之/綺麗)

 ほかにも僕一人では到底経験できないことが、たあああああくさんありました?とにかく僕にとってはとんでもなく素晴らしいことで、みなさんありがとうございました。またお世話になりまっせ。(笑)あっ、なんかできることあれぱやりますんで。
(トシ)


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tullycraft interview

購入してから読みましょう。

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BUNNY GRUNT last live in japan

「No name slob」で始まったBunnygruntのライブ、ポップでパンク!な曲が沢山聴けて本当に楽しかったです!ドラムを叩きながら唄うKarenは、とてもかわいくて、MCも面白くて(でも「Jonny Angel」の時の涙をこらえながら唄っていたKarenには、思わず私も胸が熱くなりました。)、Jenは黙々とベースを弾いていて、とにかくクール!!Mattもカッコよくて、面白くて、3人ともステキでした。解散してしまったのは、本当に残念だけど、これからの3人の活動に期待しています。KarenとMattは、一緒に新しいバンドを始めるそうだし、また来日してくれるといいな。

TEXT and PHOTO fukushima

MESSAGE FROM BUNNY GRUNT


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LATE ANORAK GUIDE

PRESENT BY QUIEN?

ヨシノモモコさんのサックリしたボーカルに、ポップなメロディが、ただただ好きで、sunny charやthe automaticsを聴きまくっていた時期がありました。それが私にとって(レイト)アノラックとの出会いでした。今の日本で、レイトアノラックシーンと呼べるものは、ありませんが、私を含め、後追いでアノラックを聴き始めたレイトアノラッカーの中心的存在ともいえるのが、やはり、ヨシノモモコさんだと思うのです。「自分でできることは、自分でやろうという姿勢が大切」とモモコさんが言っているように、バンドをやったり、レーベルを運営したりと、積極的に活動するモモコさん姿勢に共感したり、憧れたりして、バンドやファンジンを始めた人も多いのでは?という訳で、皆をいつもドキドキワクワクさせてくれるヨシノモモコさんのバンドを中心に、日本のアノラックバンド(そうでないものもあるかも。)を中心に紹介してみます。日本にもステキなバンドが沢山いるんですよ!知ってる人は知っている、知らない人は本当に知らないと思いますが、これを機にCDを買ったり、ライブに行ったりするのはどうでしょう?楽しいですよ!


★sunny cher★

92年にヨシノモモコさんが中心となり結成されたサニチャー。95年に解散するまで、BMX BANDITSやTVP'sなどの来日公演の前座を務め、そして多くの名曲を残してくれました。モモコさんとはる奈さんのツインボーカルがたまりません。コンプリート盤が、PushBikeから出ています。レイトアノラックのすべてはsunny charから始まった!?

★the AUTOMATICS★

モモコさん+RON RON CLOUでthe AUTOMATICS。CDやレコードで聴くのもよいけど、やっぱりオートマは、Liveです!めちゃめちゃカッコよいです。2ndシングル「auto matic eraser.e.p.」はK.O.G.A.から発売中。

★TIROLEAN TAPE★

モモコさんのソロユニット。好きなだけハモって、音を重ねて、作られた曲は、モモコさんの他のバンドとは、また違って、良い感じです。1stアルバムはPush bIkeから発売中。来年には「日本のバンドカヴァ集」をPush Bikeからリリースするそうです。

★TIGER SHOVEL NOSE★

モモコさんと、妹のピリコさん、15min.P.F.スタッフ、ヨシムラツヨシさんの3ピースバンド。決して、うまいとはいえない演奏ですが(笑)本当に仲良くて、楽しんでやっています。これぞアノラック(?)来年には7'をリリースするみたいです。 追加:昨年の夏のライブを最後にドラムのヨトムラさんが脱退しました。残念。Holytail RecordsのコンピCDに一曲参加しています。

★15min.P.F.★

92年にモモコさんが始めた15minutes.Pradise Factoryレーベル。第一期は、BarretteやCitrusなどをリリースしていましたが、94年に活動休止。その後、活動再開第一弾としてリリースされたのが、オムニバス"ANORAK MUST!"。これまでCまでリリースされています。「自分たちが、これは欲しいっ!って思えるようなオムニバス」を作ろうという気持ちでやっているそうです。本当に良い曲ばかり収録されています。15minsは、残念ながら今、休業中ですが、来年は、また新しいレーベルを始めるとか。

★DIZZY JOGHURT★

ex-Ring My Bellのヒトミカナコさん(…しつこいですね)が、新しく始めたバンド。現在はギターの男の子が一人加わって、4人で活動中。ヒトミさんの作るポップでクネるメロディもサイコー!モモコさんに負けないくらいハモってます。1stまアルバムはK.O.G.A.から発売中。

★RED GO-CART★

仙台をアノラックシティに!と、地道に活動しているキュートポップバンド。「POP JINGU」やGalaxy Trainからの7'リリースで、知名度アップしたはず。来年には、clover Recordsから遂にアルバムリリース!!ライブは、メンバーの皆さんかなり爆走していて、Vo.ウスイトモミさんも飛び跳ねたりしい、かわいいです。

追加:Clover Recordsからのアルバム「SKIP AND MAKE IT FLOWER!」は3/21にリリースされるようです。夏には東名阪のライブツアーも実現するかも!?

★Recucled Pop★

RED GO-CARTでもベースを弾いている、ウスイユウジさんのジャングリーアノラックバンド。オムニバス7'「POP GOES THE WORLD」には、名曲"NO.9"で参加しています。LIVEが観たい!

★TRICOROLLARS★

「ANORAK MUST!」に参加、1stカセットも好評な愛知のトリコローラーズ。チャカチャカしたギターに、カツコさんのキュートなボーカルと思わず口ずさんでしまうメロディ、そしてハモる!大好きです。11月にはGalaxy Trainから7'をリリースするそうです。

追加:UNDER FLOWER内に立ち上げた、「ピロシキレコーディングス」(Piozhki Recordings)から、ミニアルバムをリリースしました。ライブでは、バンド形態になってチロリアンテープチャプター「として活動中!めちゃくちゃカッコよいです。

★OVERCOAT'S★

こちらも「ANORAK MUST!4」に参加の神戸の女の子ボーカルバンド。このバンドもライブがとても楽しいです!曲も良いし、演奏も上手で、何よりメンバーが皆、楽しんでいるので、観ている自分も楽しくなります。近くでライブがあるときは、是非行きましょう。

★PING PONG DASH!★

アノラックの申し子?京都のR.P.D!は、女の子ボーカルにポップなメロディでオススメです。1stカセットも発売中。ライブでは、TIROLEAN TAPEやRING MY BELLのカヴァもやったりしたみたいです。メンバーの一人、ナガノトモコさんはファンジン「WONDER COMET」や「WONDER CLUB」でも活躍中です。

追加:VO,Gのナガノトモコさん別ユニット「Mary's 9th cut」の1stアルバムがSmile Recordsからリリースされています。

★HONEY SKOOLMATES!★

「ANORAK MUST!4」にも参加している、大阪の男女混合バンド。chocolate&lemonadeのコンピカセットにも参加しています。タケモトユウコさんのボーカルと曲は聴いていると優しい気持ちになれます。ユウコさんのソロユニットDISCO GIRL(「ANORAK MUST!4」にも参加している)も良いでよ。

★JENNY ON THE PLANET★

 パステルズの大阪の前座公演を務めた、大阪の男女混声3ピースバンド。ミオリさんとオニマルさんのハーモニーは、聴いているとドキドキしてしまいます。ライブではさらに迫力のある演奏も加わって、なぜだか涙が出そうになります。ライブでは、パステルズやヴェルベッツのカヴァもやっています。今、一番好きなバンドです。1stアルバムはK.O.G.A.から発売中です。

TEXT BY FUKUSHIMA

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特集:ブーラドリーズ

 天才と呼ばれる人が影響力持って人を集めて、世の中が変わる。それは当たり前の事だけど、危険な事でもある、少なくともぼくは気持ち悪い。だけど、ぼくらと同じ様な普通のやつが、ショボい街で、それでも誰かを好きになって、泣いたりしながら、なんとかやっている。そんなやつが、自分に出来る精一杯の愛と真心と優しさを第三者である、ぼくらに伝える時、それは天才の才能なんより、はるかに強く素晴らしいエネルギーになるだろう?それが本当のポップミュージックだと思う。少なくともぼくらはそうだ。そんなぼくらが惚れこんだバンドが今回の主役ブーラドリーズ!このバンドがいなかったらポップ・ゴーズ・アート!も存在しなかっし、この文をあなたが読むこともなかった、素晴らしい出会いに感謝。生きている事に感謝して。

 ぼくらのギターバンド(と呼ぶのが最高に似合っている)ブーラドリーズはリバプールで結成された。スキンヘッドのボーカリスト、サイスと、全ての楽曲を書くギタリスト、マーティンは幼馴染み。二人は80年代に、まあ、当然デュランデュランなんかを聴きながら、フラれたり、けんかしたりして「クラウドオーバーリヴァプール」な青春をすごした。ベースにジョンと、小柄でキュートな黒人ドラマーのロブを加えて89年頃に活動をはじめたブーラドリーズは、リバプールのライブハウスで「30分と原形をとどめないグショグショの壊滅的なライブ」を展開して、ラフトレードからシングルを発表する。なぜそんなライブでデビューできたのか?理由は聴けば分かる、爆音ギターと無自覚な曲展開のはるか向こうに、あの生命力の塊のような美しいメロディが、確かにあったからだと思う。クリエイションレーベルへ移籍してからの活躍はとなりのページでトシくんが濃いい解説をしてますのよん。

 で、前作「カモンキッズ」の制作時期に、マーティンは8年間つきあっていた彼女と別れてしまったそうだ、8年間だよ、それは甘くて、残酷で、眩しくて、どーしょうもない美しい時間だったに違いない、とぼくは勝手に想像するしかないのだけど…、しかし今回発表された「キングサイズ」の痛々しさといったらどうだ、楽曲のポップさとは裏腹に、恋愛の敗北者のただただリアルな記録が描写されている、冒頭の「ブルールーム」の内容など、誰しも一度は経験した事があるんじゃないのかな?たとえ経験していない人にとってもこのアルバムは面白く聴けるはずだ、だってかなりポップだもの。
 きっとあなたはこのアルバムを聴いてこう言うだろう「ポップだねえ」って、するとぼくは口元笑い浮かべて黙ってうなずくのみという訳だ、その背後に、もう、とほーもない巨大な悲しみとか焦躁とか、くやしくて、悲しくて、胸が痛くて、一睡もできず、夜中に突然車飛ばして、山道をひた走って、誰もいない闇に向かって、獣みたいに吠えたり、そんな切れぎれの記憶がフラッシュバックしている事など、あなたは知らなくていいという事だ、それがポップというもんなの、大変勉強になりました、へへ。
 しかし、悲しい歌詞なのにポップな曲だったり、攻撃的な歌詞なのにフヌケた曲だったり、今回のブーラド、何か思い出すものが…。イギリスが誇る、ビートルズよりも、ニルバーナよりも重要なバンドっーたらキンクス!あのヒネててまともに人を愛せないくせに、それなのに、人を愛する事ならどこの誰にも負けない、絶対負けない、そんな素敵なおっさんレイデービス、ついにマーティン・カーは失恋を乗り越えて、レイデービスの領域にまで達したという事なのか?キンクスといえば「ユーリアリーガットミー」だけど、ブーラドにも唯一のナンバーワンヒット「ウェイクアップ」がある、この点も似ている、でもぼくはキンクスとブーラドが似ているという事を論じたい訳じゃないんだ、ぼくはどっちも好きなんだ、だって優しいじゃない。それだけです。そう言えばいつもトシくんと話してると、「ザ・フー」もいいんだけど、やっぱ「キンクス」なんよなぁ、「ジャム」よりやっぱ「タイムズ」になるんよなあ。ってなっちゃう。だから、もしあなたがぼくらとおんなじと思ったら「ブー」愛しちゃいましょうよ。別にカリスマ性もなければ、才能が飛び抜けてるわけでもないし、演奏がうまいわけでもない

もちろんルックスは…

 だけど優しくて、バンド以外にはなにもなくて、でも許せない事に対しては絶対に目をつぶらない、愛する気持ちだけは他のどのバンドにも負けない、それがぼくらの基本姿勢と同じじゃないのかな(きみもそうだといいけれど)?才能ないけど、女にフラれたけど、でも、君の心に響くようにと歌う!ギターを鳴らす。

ぼくらはみんな弱くて、気がつけば死とか暗闇とかに誘われたりするだろう?

 でも、その力をはねのける勇気と生命力が、このCDの中にある。魔法が…ポップミュージックは魔法なんだよ!魔法を信じるかい?もちろん、信じましょうよ!よし、じゃあ、一緒に未来へ行こう!(しおみ) 


ジャイアント・ステップス’93

 このアルバムのイントロを聴いた瞬間、僕の人生は確実に変わった。これがなかったら今の友達に会うことはなかっただろうし、素晴らしいレコード達に会うことはなかっただろう。もう最高傑作!恐ろしいほどの音楽の雑食性、それをポップにまとめる実験精神。全てが刺激的でかっこよかった。てんでバラバラの曲調、なのにまったく違和感のない構成。加えてこのメロディ。バンドサウンドのオリジナリィティにかけては他に類を見ない、まさにワン&オンリーや!!そしてなにより音楽に対する誠実さ。とにかく僕はこんなバンドが大好きだ。どこへ行くのか、どこへつれてってくれるのかサッパリ訳わかんない、けど、なんかおもろいことやってくれそうな感覚と言えばいいのかな。僕だって、どこへ行くのかサッパリ分からない、だけどなんかおもろいことはやってたい、と思ってる。だから彼らの音楽にはついつい最大限の愛を送ってしまうのだ。

ウエイク・アップ!’95

 ここまでポップになるなんてもうアホ!アホですよ。そうアホみたいにポップになっちやって、もうタイヘン!ポップ爆弾と化したブーちやんがあちこちで爆裂!!!前からメロディの良さは証明済みだけどここまでいくとは。もう問答無用、天下御免の大傑作。ヒットまでとばしちゃったぜ。こんないい曲ほかにはないよ。お子さまからお年寄りまで楽しめる、これぞみんなのうた。とは言いつつもところどころになんか音を仕掛けてたりするから、僕、なんかさらにうれしい。飾り気がないにもほどがあるってなメンバーの人柄も最高!!(そういえぱライヴに足を運ぱせたのも彼らが最初だったな。)そして、この年は忘れようにも忘れられないあの地震が起きた年。そこで暮らしてる人とは比べもんになんないけど、歩いたことのある街が瓦壊の山となったのは、ショックだった。このアルバムがその時、何かの役に立った訳ではないけど、あって良かった、とだけは言える。

フロム・ザ・ベンチ・アット・ベルヴァディア ’95

 制作意図不明の謎のEP。4曲入りと7インチのみ。まさに隠れた名曲という感じ。アコースティックな2曲は、心に染みいる泣きメロ爆発!!!ほんの少しだけ背中を押してくれそうなポジティヴさがまた涙をさそうぜ。もう2曲は、ビースティ、ベック以降のブーちやん的解釈な曲。これがまたアホみたいにカッコイイ!!LPには結局、収録されなかったんだけど僕はこの4曲は十分アルバムに相当する内容だと思っているので、勝手にミニアルバムとよんでます。必聴!

カモン・キッズ ’97

 文句なし!空前絶後、疾風怒涛の最高傑作。前作から間にささやかなミニアルバムを挟んで、かなり期待してCDのプレイボタンを押したもんやけどぴっくりしたわ、ホンマ。期待通りどころか、こっちの想像力をはるかにしのぐ内容。アホタレジャーマンとテキサスサイケなセンスが交錯する中、ボストン・ギターサウンドが大暴れ!気づけぱブリストルからもコンニチハ!加えて、このメロディ。もう、かっこよすぎ!もう訳わかんないくらいハチャメチャなんだけど、やっぱどう聴いてもブーちやんなんだよな。変化のための変化でなく、あくまで彼らは自然に変化してきた、そこが彼らの最大の魅力のひとつであり、大好きなところだ。そして常にブーちやんは前向きだ。ただ前向きなんかじゃなく、苦しみや憎しみ、絶望を抱えてることを承知の上で。その感覚は僕の立っているところと対して変わりない、つ一かそのまんま。すごくリアル。音楽的にも歌詞にもそれは現れていて、彼らに会うことができて本当に良かったといつも思う。(以上・トシ)

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ボーナストラック

日々の泡「ハピチャムのれないよ」の巻

 ハッピーでチャームなみなさんこんにちは、ぼくはハッピーでもチャームでもないなあ、だってクラブ行ったらみーんなハッピーでチャームでビックビーツで怖いもん、ぼくはいつも頭をかかえて、頭をかかえたついでにシャンプーをすませちゃうから君ちょっと待っててねって感じです。ポップゴーズアート!を紹介していただいた「米国音楽」でも、ハッピーでチャームじゃないと、醜悪な日常しかおくれない愚鈍な人間だって言ってて、ぼくは非常に落ち込みました。だってぼくの日常は充実もしてないし、ほんとに醜悪な人生だって気付いたから、はあぁ〜(タメ息)、無理にでもハッピーでチャームにならないと駄目なのか、そんなのほんとに無理だよ、どうしたらいいかぼくはもう分からないよ、分からないよお!

(バック稲妻)

でもね、やっぱ信じとる事があるんです、楽しい音楽を聴いて踊って、大好きな人と微笑みあって、そんな事が出来たら生きていけるって、絶対!

まっ、今は無理だけど

でもいつかって、そんな希望をこめて、それでもハピチャムだと、とほうもない絶望とか痛みとかをふみしめて、それでも踊ると、だからハッピーにお馬鹿に踊るという事ですよ、本当に楽しくて馬鹿だけでもいいけど、それだけじゃーぼくは踊れません、踊りたいのに。どんな時代でも音楽というものは変わらない、コンプレックスや恋の悩み、どーしようもない現実、それでも踊る、それだからこそ踊る!若くてエネルギーをもてあましたモッズバンドが荒れたR&Bを演奏したら、12時間労働の疲れなんかもEで吹っ飛ばして踊るのさってノリで、それがモッズとかノーザンソウルとかの現実だったし、神戸の震災で家族も恋人も財産も失った人達の前で、それでも生きていくために必要な力を秘めた「うた」を歌ったソウルフラワーだって同じさ、音楽は、ポップというものは「生命力」なんだと思う、生きる力の象徴。それが「スピリチュアル」なんじゃないのかな。だってレコードなんてなくても生きていけるもん、めしさえ食べていれば、それなのにバンドが生まれるし、自主制作でレコードが出るし、みんな集まって楽しい音楽聞くし、それがいつのまにかムーブメントになってるし、それが「未来と闘う」という事。それをシビリアンコントロールみたいなさ、気持ち悪い盛り上げ方したら、だいなしじゃない、「魂」がつまんないものになっていく、もったいねー、ハピチャム楽しかったのに、あんなに楽しかったのに、みんな笑って、輝いてたのに、キラキラしてたのに、なんでこんな事に…こんな事になっちゃうんだろう、もーやだよー!一体だれだよ、楽しい事をつまんなくしちゃったのは、だいなしにしたのは誰だよ!ちょっと顔見せろ!そ、その顔は知ってるぞ、その顔は…ぼくの顔じゃないかあ!

(暗転 )

 「それ」はどこにでもあって、誰にでも見つけられる、ぼくらは「それ」が大好き!

 そんな訳で、いろんなムーブントが盛り上がって、だいなしになって消えて、時代が変わっていくんです、それが歴史。こんなぼくなんかにえらそうな事言う資格はないんだけど、それでもぼくが言いたいのは、ぼくらの50年だか60年、あるいは明日までなのか知らないけど、短い人生の中でいろんな人にあって、いろんな恋をして、いろんな涙流して、そしていろんなレコードを聞くと思いますが、やっぱり「スピリチュアル」なものを聞いて欲しいなあ、と。そんなよけいな一言が集合しているのがこの「ポップゴーズアート!」な訳です、なんて。

(しおみ)

追記:映画「のど自慢」と「眩惑のブロードウェイ」をあわせて読んでいただくと、よりよくこの文章が楽しめる嗜好になっております。


まんが編

 漫画は文学を超えたと宣言します、こんな忙しい現代に、今夜は読書をするんだよっなんて優雅な時間を過ごす若者がいるだろうか?大人になって出来る事をするほどぼくたちは暇ではないはず、だから読んでしまうよ、漫画を、短時間で情報を理解できるし、イヤなら閉じてしまえるし。(でも映画とか小説も面白いのよん!)それで、最近の漫画は凄いです、もう、もんの凄いです、今回紹介した漫画はその氷山の一角に過ぎません。漫画のパワーは誰も止められません。はじめて岡崎京子を読んでしまった時とか、はじめて「トーマの心臓」を読んでしまった時、「パパ・トールド・ミー」を一週間で全巻揃えてしまった時を思い出してしまうよ、漫画は、20世紀後半の日本人が作り出した文化の中で最高のものです、ぼくはそれを誇りにしたいし、だからこそ紹介してしまうんです、だから、だから、みんなも、読んでみようよ、漫画を、誇りにしようよ、漫画を、ぼくは漫画が好きです。

「ルーとソロモン」

 読んでしまったとき、がんと頭がふるえて、泣きじゃくっている自分がいました。こんものを読んだことがない、唯一絶対のなにかでした。/こんな漫画を読んだことがない、最初にそう感じた理由は「自分でもわからなかった、わたしの心がここに描いてある!」という衝撃のためでした/でも少しずつ、おそるおそる、わかってゆく。三原先生が魂をえぐるように深く、はてしなく、描きだしているものは「わたし」をも含めた「人間」なのだと/キラキラ、まばゆい魅惑の結晶たち。空想の翼をひろげて遊べる、素敵な物語を、私は今でも大好きです。けれど同時に、つたなくても、追いつけなくても、どんなに苦しくても泣いても、そこに「心臓」のありかを、真実の魂の居場所を探して、「人間」の姿をもとめて、書かずにはいられない。遺伝子を残されてしまったから。解説(作家・若木未生)より抜粋。もうこの解説だけで涙の洪水、もうぼくの文なんか不要!「もう、たまんないのよ!」(鷺沢萌・談)(しおみ)

「ダブルハウス」

 長身のニューハーフ、マホ(本名リョータロー)と、自由奔放な女の子、藤子さんとの奇妙な同棲生活、恋愛ほど濃くなく、友情よりは深く、兄弟みたいというよりまるで性格の違う双児みたいな、不思議な関係。あんがい理想郷というのはこの二人の生活の事なんじゃないかも、なんて。でも「パパトールドミー」でも言えるけど、この生活は永遠には続きはしない、それは分かっているけど、だけど、こんなにも強く、素敵で優しい時間が人生の中で一日でもあれば、生きていける、それは「宝もの」だよ、全て恋愛は「宝もの」だと思う。青い部屋の中で死ぬつもりだった魂を「今」そして「未来」まで飛ばしてくれた、ほんとにこの漫画は強い、権力とか兵器なんより絶対強い!世界中に蔓延している間違ったフェミニズムを一掃できると思う。だって、きらきらしているから、ほんとうに綺麗だ!(しおみ)

「少女ケニア」

 かわかみじゅんこをさがして街をかけまわった年末。探してた〜、手に入れた〜って事で。ここに二つののタイプがいて。Aタイプ、恋愛依存症、オタクでも美形ならOK、相手が本気になると冷める。Bタイプ、ロッキングオンに投稿している、アウフォントに投稿してる、恋愛に興味はあるが愛しかたがわからない、恋人募集中。AとBの間を行ったり来たりしているのがこの漫画の、作者の視線なのかなーっ、でもはっきり言ってよくわからない、分かりやすい話を書けと言われて描いたラストの話が一番よく分からない、分からないから知りたくなる!唯一分かるのは、かわかみじゅんこは野生のカンみたいなもので描いている気がするって事。ああ、だから「少女ケニア」なのか?…特殊な作家だと思う。(しおみ)

「けだるい夜に」

 あれほど嫌いだった内田春菊の漫画にはまるとは…、でもね、いいもんは、いいんです(BYトシ)という事で、内田春菊はやっぱいい。小椋冬美にも入れこんだぼくなんですが、両者の共通項は、ごちゃごちゃした無駄なドラマを排除して、本当に必要な、赤心の部分だけをガンと出す、このかっこよさが最大の魅力でしょう。会話の隙間の、感情を、空気を、切りとって見せる、映画で2時間かかって得る事が出来る感動が、一瞬のうちに視覚を通じてぼくらの心に飛び込んでくる、びっくりする、でもいい気持ち、気持ちいいからもう一回読んでしまう、やっぱりいい気持ち。表紙もいいしね。(しおみ)

「アンタイトルド/岡崎京子」

 ぼくが4ヵ月間勤めたデザイン事務所にはベランダがあり、お昼休みになるとそこで寝転がって青空を見てました、郊外なのでのどかに子供の声も聞こえたりします、下には寿司屋があってそこでは犬を飼ってるんだけど彼は一言も吠えない、いつも後ろ足を引きずっています。ぼくは青空を見ています、見れば見るほど、それは本質からはずれて、何をみているんだろう?きっとウルセエ、ムカツクを超えた、絶望をかるーくしたなんだかわかんないもんを見てるんだろうな。彼女が描く少女達はいつも屋上で青空を見ていた、なんか悲しくて、残酷で醜くて、だから愛してしまうのよ、ぼくも彼女達とまったく同じ視線でなんだかわかんないもんを青空の向こうに見ていた、あきらめた様な、無気力な横顔、懐かしいあの視線で、青空はナイフで刺してやりたくなるくらい青空で…。

 「アンタイトルド」が発売されて以来、ぼくはひたすら読んでいる、今までのどの作品よりも読んでいる、もうぼくらには読む事しか出来ないのだから、もう、ひたすら馬鹿みたいにくり返し、くり返し読んでいる。噂によると、もう意識の戻るめどは立たないらしい、噂は噂だけど辛い。だから読むしかない、読まなきゃならんし

彼女が何と闘っていたのか?

彼女の敵は誰?

何だったのか?

彼女は幸せだったのか?

この世界には欲望とか不安とか恐怖とか誘惑とか快楽とかが溢れている。その中で何人にも分裂した彼女自身の分身ともいえるキャラクターが、傷つけ合って、奪い合って、泣いて、魂をボロボロにして、それでも手に入れようとしたものが「本当の愛」だったのか?今となっては、読んでも読んでもその答えは出ない。「愛し愛されて生きるのさ」って事は本当に難しい、もしかしたら、ぼくには無理な事かもしれない、だけど、ぼくは、愛し愛されて生きていたいと思うし、そのために努力したい。読めば読むほどにその思いが強くなる、無意識のうちに手に力が入り、ページをギュッと握る、表紙のしろい部分には手あかがついて汚れている、もう、読むしかないんだ。(しおみ)


いーか、よく聞け、人間は誰も寂しい、心が欠けているんだ、寂しいから何かに依存してしまう、恋人に依存してしまう、レコードに依存してしまう、その人が好きなのか、寂しいのか、その両方なのかぜんぜんわからなくなってしまうだろ

痛いよ、痛いよ、チクチクするよお、どうしたらいいの?

いいかい、しっかり聞いて、君は完璧じゃない、不完全なんだ、心が欠けているんだ、だから居心地が悪いんだ、気持ち悪いんだ、みんな嫌いなんだ、君の前をいろんな人が通りすぎていくだろう、それを含めて、君というものがここにいるんだ、それを、まず、認めてみなよ。君の心の欠けた部分をおぎなってくれる笑顔、埋めてくれる優しさ、それが恋なんだよ。その一瞬の快楽に酔ってみなよ、そして誰かを傷つけてみなよ、それが出来ないんなら恋なんてしない方がいい!誰もいない場所へ行って、その人生を閉じるんだな。

そんな事、出来る訳がないよ、もう、誰も愛せないよ、こんなのイヤだよ、こんなのイヤだよう。

しっかりしてよ、ぼくの話を聞いてごらんよ、人間は不完全だから可愛いんだよ、恋人の心臓の音を聴いてごらん、思い出してごらん、ほら、落ち着くだろう、心が、体が一つになっていく感じがするだろう、そうなんだよね、ぼくらは一つなんだ、ぼくらは神様が用意してくれた最高の容器、きっと半分づつ作って別々のとこに置いてしまったんだね、それが今夜出会ってしまった、抱きしめてしまうよ、ほら、人間の体がこんなにピッタリ重なるなんて可笑しいね、ぼくたちは一つだ、切り離されていた心と体が、今一つになったんだ、可笑しいね、笑えるね、可笑し過ぎて涙が出てしまうよ、ねえ、なんで泣くの、大丈夫、ぼくがなんとかするから、泣かないで、泣かないで、しっかりして、ぼくがなんとかする。


POP GOES ART! 1999.3月発行 POKET HONEY LABEL.CO


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