POP GOES ART! VOL.15

そんな訳で、ついにというか、やっとヨラテンゴが来日する、
さてヨラテンゴだ、何を話せばいい?
ぼくが個人的に世界最高のバンドと信じてやまない素晴しいバンドだという事をまず断言しておこう。ただあなたがヨラを聴いて、どこがすごいのか分からないのならそれはしかたがないと言う事だ。別にヨラテンゴなんて聴かなくても生きていけるという事だ。ぼくはどうしてこんなにヨラテンゴが好きなのだろう?切ないからか?痛いからか?わからない、「好き」という感情はどこから来るのだろうか、それを制御する事は若いぼくにはまだ無理みたいだ、そんな馬鹿なぁ!とか思いつつ、自己欺瞞を続けたが、結果的に自分を壊すだけだった。しょうがないよな好きなんだもの、他に理由なんて無い、「好き」という気持ちは、たとえ僕が死んでも、ヨラがなくなっても、あなたが忘れても、「好き」という気持ちは、その思いは絶対に消えない、絶対に消えない、そう信じたいし、そうなんだよ、きっと、もう決定!「好きだ」という言葉がついに言えなかったオオバカモノの僕をヨラテンゴは優しくせめたててくれた、狂暴に!繊細に。ギターの音が心の裏側の弱い部分を突いてくる、やめろよな、そんな事されたら泣いてしまうじゃないか。「好きです」なんでそんな簡単で当り前の言葉を言う事ができなかったんだろう?人を愛するという事が出来ない、子供なんだな、結局、まだ…大人にならなきゃいけない?小沢健二が、「雨の中大声で笑う、手のひらの傷いつか消える、花束をかきむしる、世界は僕のものなのに」とか言って、無理して帰ってきてライフイズカミンバックとか言って、はたから見てたら逆に痛々しくて、カッコ悪くて、勘違いされて、痛いめにもあって「そうだ、大人にならなきゃ、いつも恋をしていよう」とか思う気持ちがぼくにはすごくよくわかる、ああ、なんでオザケンの話になったのだろう?三年前に戻ろう。…なんでぼくでないのだろう?なんでぼくでないのだろう?壁を蹴ったりした。「今日のしおみくん怖いよ」
って、うるさい!アスファルトに寝転がって、このまま轢かれたい気分。なんか冬で、寒くて、息が白くて、何もしたくない。またあの男と会ってるんだ、またあの男と会ってるんだ、ぼくではなく、ぼくではなく…コロシテヤル…シニタイ…コロシテヤル…シニタイ…ぼくは、ぼくは、ぼくはあなたを好きだった…です(若いなあ)。人を好きになる切ない人のしくみ、ぼくらは恋から生まれた、恋の子供、だから繰り返してしまうよって誰の歌だっけ、原マスミか、あ、またヨラの話から逸脱してしまったな。「ブルーラインスゥインガー」というヨラの曲が好きだ、大好き。大好きな人に大好きです!と叫びたい気持ちにはじめてなった、生まれてはじめて。この曲を聴いていると大好きな人を抱きしめたくなる、欲望に忠実に愛するという人間としてもっとも当り前の事を、ぼくははじめて、ここで知った(青いなあ)。遅すぎたかな?まだまだこれからかな?それはぼくの努力しだい。ヨラテンゴとはぼくにとってそんな大切な存在なんです。けどね、誰しもあるでしょ、そんな存在、言わずもがなかな。個人的な思い入れのみで書いてます、この文、音楽通の方ゴメンナサイ。実際ヨラテンゴはアイラキャプランとジョルジアヒューブレイを中心とするクールなギターバンド、音楽的に言えばベルベッツ、REM、フィリーズなんかと通じる感じ、でももっと実験的で、優しくで、誠実で、熱いバンドだと思う。玄人受けばかりしていて、一般的な知名度がほとんど無いのが唯一の欠点(例:ギャラクシーとか好きな人は絶対ヨラも聴いているよね)。一度来日したらしいけど、また来てくれるなんて、嬉しいです。ぼくは観に行けるかどうか分からないけど、絶対行きたい、行かなきゃ、やっぱり。その時、ぼくの心は三年前のあの叫びを思い出すんだろうか?わからないなあ、ただ、ぼくはいつかあなたの前でこう言いたいね、「あの頃はぼくも、子供だったんだなあ」
って、恥ずかしがったりしてね、人生ってそんな事の繰り返しだねえ。おしまい。
ヨラテンゴヒストリー
知らない人の為に簡単に彼等の歴史について解説してみます。最初は4人組で、REMやフィリーズに憧れてマスって感じのカレッジギターポップアルバム
「ライドザタイガー」
で、86年にデビュー。以後3人組となり、ま、あくまでもアイラキャプランとジョージアヒューブレイの2人のバンドだけどね、87年セカンド「ニューウェイブホットドック」
を発表、なんつータイトル!都市散歩が好きなアートカレッジ系のジャケットのデザインは、ジョージアさんがやってる。内容は2コードの清い清いギターのストロークにルーリード風のボーカルが重なる地味ながらも心にしみるギターポップ集って感じです。88年サード「プレジデント・ヨラテンゴ」
マイブラ先取りのギターノイズから始まる傑作!かと思えばスパイなインストや、ディランのカバーなんか入っててバラエティにとんでるなあと、思いつつ、ひっくり返してB面にすると、10分を超える凶悪ライブがイキナリやってくる!狂暴さとカタルシス、北野映画にも通じるこのアルバムの流れ、構造は、現在のヨラのプロトタイプであると思えます。このセカンドとサードは2inアルバムとしてマタドールから再発されてます、オリジナルは今なら1万近くするので買わないように。90年発表、4枚目の「フェイクブック」
は、その名の通り肩の力を抜いたフェイクアルバム。NRBQやキンクスのカバーを中心に、バンジョーやハワイアンなギターも入ってて、ちょっとバチェラーパッドな風味もあるなあ、トシ君はこれ買ったとき最初怒ってたなあ、「なんでハワイアンや!」って。92年の5枚目「メイアイシングウィズミー」
私と一緒に歌って下さる?なんて傘さしてニコニコのジョージアさんのジャケがもう大爆発、天国へ一直線、うー甘い星よ、マイスター!なんてメロメロになっちゃう傑作。当時のドンフレ&TFC「バンドワゴネスク」のあのリズムが入って来た瞬間、頭が飛んじゃって、もーなにもかも幸せになってニコニコして、オーイェー!って言っちゃう、あの感じ!これは気持ちいいパワーポップアルバム、ハルハートリーの「シンプルメン」に使われた「サムカインダファティギ」も収録、ルナばりのフワフワフィードバック甘ぁーい悪夢的チューンもしっかり用意、もうごちそうさまのありがとうって感じで、もう果てます。こっからベースがマクニュー=ダンプさんになります、もう無敵のトリオの完成だ。93年、6枚目の「ペインフル」
モーテルから見える揺らいだ高速道路の灯り、生暖かくて、ひたすら青くて、風邪をひいている様な感覚。USアーバンポップ特有の感覚、例えば「アフターアワーズ」って映画見た?あれに限りなく近いと思う、エーストーンのオルガンにファズをかましたステレオラブ風実験ナンバーから、果てしなく盛り上がる超絶バーストギターまで、ひたすら醒めたアルバム。夢を見ている様な気がする、ぼんやりと、奇妙なモーテルでの一夜の出来事を醒めた悪夢でなぞった様な音楽。こんなクールな音、他の誰にも出せない。そして95年の7枚目、その名を口にするだけで震えが起きる20世紀最高の青春音楽「エレクトロオピュアー」
の登場。心臓の裏側をゴリゴリとえぐる音、好きな女の子が、嫌いな男と楽しそうにしゃべっている、なんでそんな楽しそうなの、なんで光ってみえるの?あの笑顔があれば生きていけるのに、なんで!当時のぼくの思いはこのアルバムと共に燃えに燃えた!火事になった!田舎なので山火事だ、ま、今だに消火されてないけどね。とにかく4曲目の「トムコートニー」雲ひとつ無い青空にジョット機が素晴しい勢いで飛行機雲を作っている様なイントロから、もう、たまんないブレイク、死んでもいいほど優しいコーラス、ちょっとだけ切ないギター、完璧。そして終曲「ブルーラインスィンガー」この曲を聴いていなかったらぼくはどうなってただろう?ベットに寝ていた、体を少しでも動かすと悲しみがやってくるので動けないでいた、でもこの曲はぼくを叩き起こした!走れ!叫べ!ぼくは雨の夜を訳もなく走った、シャツが濡れてへばりついて、でも頭は冴えていて、体から熱いものが溢れた様な気がした、風邪ひいてもいい、車に轢かれようがかまわない、ぼくはその時走らなきゃならなかったんだ、そんな瞬間、生きてたら何回かあるでしょう?あるんだよ。しおみの人生の中の事件とリンクしてるため、もう人類が生みだした文化というもののなかで、これが最高峰、これ以外には無い!断言!カァァ、熱い、熱い、クーラーつけろ!君もこれを聴いて走れ!そんなしおみの頭を少しだけ冷やしてくれたのが96年のベスト&レアトラック集「ジニアス+ラブ」
だ。おなじみベルベッツのカバーやら、VU役で出演もした「アイショットアンディウォーホール」のアウトテイク、クレイマーのとこで大暴れ、猫にゃんの声入りの可愛い曲、とどめはダニエルジョンストンとの電話ライブ、お約束で狂暴ライブもしっかり収録、楽しいなー、楽しいねー、ジニアス+ラブ、タイトルもいいなあ。で97年、8枚目の新作は散々話したので省略。よし、じゃあ、走れ!
ヨラテンゴ 世界で一番優しいライブ
走ってる、走ってる、人波を縫うようにして、走ってる、胸の中に熱いものが溢れている、だからたとえ転んだとしても僕は痛みなんて感じないだろう、もう開演時間はとっくに過ぎている、はやくあなたに会いたい、恋人に会うみたいに僕は切なく思う、だって、この瞬間の為だけに僕は生きているのだから、ぼくが生きる理由なんて他にあるというのかしら?ありはしないのよ!当り前だろ、当り前、当り前!ヨラテンゴを聴いていなかったら、ぼくは自殺していたかもしれないし、ま、そんな訳ないけど、ただ、あの三年前の暗黒の年末年始の僕を浄化してくれたものの中でヨラの存在は大きい、今の僕が存在できるのもヨラテンゴを前提としてなのだ、これって、やっぱ、そうだ、運命ってやつなんだ。しかし、失恋とエヴァとヨラが同時に来た人なんて世の中に二人しかいないだろうから、僕の気持ちを理解しろという方が無理な注文なので、理解しなくてよろしい、ただ、その世の中の二人いたうちの一人が僕で、もう一人がいっしょにペーパー作ってるトシ君という訳なんです。そんな話をしているうちにクアトロに着いた。時間は8時だ。前座でシルバーフィンといバンドががんばってくれたおかげで僕はヨラのライブに間にあった。曲はDamageだ、アイラさんだ、ジョージアさんだ、ダンプだ、みんないる、夢じゃないのね、ちょっとほっぺたつねってみて、いてて、やっぱ夢じゅないや、やったー!
ツクポコツクポツってリズムマシンが聞こえて、Center of gravityだ。パーララってちゃんとコーラスしてる、微笑ましい。ほんと三人だけでやるんだね、すげー。
ドンッドッドコドンッドッコン!
ってAutum Sweaterだ、ドラム生だからすごいグルーヴが自然で気持ちいい、ダンプさんはでっかい体で超ちっちゃいエーストーンのオルガン弾いてて、おもしれー、すげーいいー。この曲リミックスされたバージョンに近くて、ドラムもドラムンベース風になったりしてよかったよー、ほんと。アイラさんがジャズマスターを抱えて音を出した、ピーって、何始まるんだろ?ワクワク、Deeper into moviesだ、音のカオスがしだいに形になって、サビのコーラスへとなだれ込んで、うーん、もう体が反応、イェーッて感じ、で、で、でさっ、もっ、もっ、もね、大変なんですよ、その次が、♪ジューリクリスティキャーキャー、ワーワーワー
もっ、宇宙最強の大名曲「トムコートニー」ですよ
、もう、爆発しちゃった、飛んで飛んで、キャーキャー言って、何もかもがどーでもよくなって、この瞬間、恋に落ちた瞬間みたいに何が何だかわかんなくなっちゃって、なんか知らんが叫んでた、ああ、生きててよかった、ほんとに心から思う、僕はこの為だけに生きてきたんだな
♪アイスタンソマッチタイ、ドリーミバイドノワイ、クゥーカナクリッキィスター、シィワナアアズポアって歌詞も暗記してんで大声で歌ってしまう、周りの人はあんまり盛り上がってなかったけど、いいのだ、タイムゴーズバーイで、絶妙のブレイク、魂が持ってかれちゃう感じ、で、アイラさんはのたうちまわって命を削ってギター弾いてはる、男や、かっちょええ
この魂をゆさぶる音、誰に出せるというんだ、キューンギューンって、あのリビドー逆らって恋をもみ消そうとした3年前の僕の魂のきしみ、歪み、誰にも言っちゃだめだ、僕の秘密の恋は誰にも知られてはだめなんだ、でも、でも、恋をもみ消すなんて出来ないよ、僕にはそんな事できないよ、だれか僕を分かってよ、誰か、そんな魂の弱音を解放してくれたのはこのギターだった、好きだ好きだ好きなんだぁーって、大声で叫ぶギター、こんな優しい音、僕は生まれてはじめて聴いた、だから大声でコーラスするのさ、♪パッパッパラパッパッパラ、ゲホゲホゲホってむせても強引に続けるのさコーラス、♪パッパッパラ、イエーッ!ってよかった、かっこいい、SadowsやHot chickenやって、今度はあの忘れようとしても忘れるはずがない、忘れたら死ぬというくらい深く魂に刻みこまれたエーストーンの音が聞こえる、これは、これは、これは、もしかして、やっぱり、ほんと、まじ!嘘?もうダメ失神してしまう、やばいよこれは、もう、死んでもいい!
そうなのだ、これって、ブッ、ブッ、っ失礼、興奮してしゃべれん、ちょっと水飲んで落ち着きます、あー、ブルーラインスウィンガーなんだぁ。
ああ、魂が洗われていく、痛みが、愛が、憎しみが、汚いものが、弱いものが、暴力が、みんなみんな、吸い込まれて、ただ優しい光りとなってぼくらの心に降り注いでいく、これが、これが答えだったんだね、アイラさん、ダンプさん、ジョージアさん、みんなお互いの顔見合わせて音を合わせようとしてるけど、なかなか合わない、カオスが緊張が時間となって流れていく、でも、波長がある瞬間眩い光となってシンクロし、そして全てが始まる、♪ユーユアザトーキナバーって涼しい、優しいジョージアさんの声がひびく、ああ、またしてもキレた、もう、パッパッパラッパッパッパラリラって一人大合唱、優しいよー、優しいよー!
って一人で叫びまくってた、そうしなきゃいけなかった、奇跡ってほんとにあるんだね、そう信じてしまう瞬間だった。ああ、もう、今、誰かぼくに「どうしたの」とか言ってくれたら涙がとめどなく溢れてしまうでしょう、こんな優しい夜があったっていいよね、一生に一回くらい。
その後、Were american bandも、my little corner of worldもやってくれて、2度目のアンコール、ダンプさんがナゾのソロ曲でパンク大爆発して、わーって、なって、したらキンクスのカバー(未確認)でまたワーッてなって、最後じゃ、何やるんだ、何やるんだ?リトルホンダかぁ?ワン、ツー、スリー、フォー、ジャジャジャジャジャ、ってやっぱリトルホンダだ、いや、ちょっと違う、しかも聞き覚えのあるこの曲は、ラモーンズやん、シーナイズアパンクロッカー!イェーッ!燃えるぜ!
♪パンパン、パンクロッカー、シーナイズ、パンクロッカー、シーナイズパンクロッカーって大合唱、なにがどうでもええやん、愛とポップとロケンロールがあれば、ぼくはまだ生きていける、そーゆー事だったんだ、なーんだ、そーゆー事だったんだ、ハハッなんか可笑しい、笑える、そーゆー事だったのか、おっかしいね、君もさ、一緒に笑って欲しいな、ハハって、ぼくたちはこんなにも強くて、こんなにも優しい、終わることなんて決してないんだ、さあ、一緒に踊ろう!
ヨラテンゴ98.3.17 渋谷クラブクアトロ
ヨラテンゴの来日をどれ程待っていたのか。多分、僕なんかよりも待ってた人も居るだろう、でも、95年に「エレクトロオーピュラー」を聴いて以来、ついにこの日が……来たんやね。アホみたいにチケットの日を何べんも確認して(しかも当日!まで)ヨラ来るんやな、間違いないんやな、んな事やったり、会場に入っても、ホンマにヨラ出てくる出てくんのかな、とか思うて、
ドキドキ
したりして。女の子との最初のデート。そんな様な感じやったなぁ、アレは。
超満員の中、まずは前座の日本のバンド「シュガープラント」ローテンポでスペイシーなイイ音楽をやってると思った。クリアーなギターのミニマルなピッキングとさざ波の様なグルーヴ。すんごく気持ち良く体をまかされる感じ、メロディもPOPな曲もあってよかったな。さて、それが終わってヨラのセッティングになるんやけど、なんとメンバー全員(といっても三人)出てきて、セッティングしはじめる!ベースのダンプさん(あえて呼ばせてもらいます!)もう、味ありすぎ、この人。フロアから声かけられて照れたりして、いいぞ!で、終わると一度下がって、ついに。
一曲目は新作からジョージィ姉さんVoのハワイアンな曲。アルバムも地味やったし、まあ、地味に行くんやろとタカをくくってたら、次の曲、いきなりアフリカンなドコッコンドラムにギターを置いて、キーボードにマラカス持ったアイラさん狂ったように叫び、イカレた音をキーボードから出した!全作からイキナリこんなのを。
ヤラレタ!
僕の周りの人工密度は一気に増加、どりゃーってなもんで暴れはじめ、さらにたたみかけるようにロケンロールな曲に突入!(後にラモーンズの「シーナはパンクロッカー」と判明)アイラさんのギターがもう凄い〜!とかゆーてたらジャンジャンジャンジャーンジャーンガガガガギューウゥゥズッタズッタ「シューガーキューブ」や!はっきり言ってマジに命の危険を感じました。
そっから正直ゆーて曲順、覚えてません。確か新作から「ダメージ」とかをやったと思う、休めたよーな気もした、けど、アイラさんの自由自在なフィードバックがヒューオーギュウイイイインとなった日にゃ、ローテンポの曲でも、なんか知らんが体中の血が沸点越えちゃって、もう大変。やっぱスゴイ、素晴しい、最高や。ギター背中にかついだり、上から下へ動かしーの、正座して弾いたり、弦をゆるめたり、何かもう、もう、とにかくカッチョイイ、アイラさん。ボーダーのシャツ着て、めっちゃ普通なのに、奇跡の様な音、出す出しまくる。さて、新作からダンプさんの曲「ストックホルムシンドローム」もキッチリやってくれた。ダンプさんってば、ベースにファンシー系のシール貼ってるし、体とは対象的な線の細い、けど味のある声、いいっスよ〜ダンプさぁ〜ん
盛り上がりつつも、少し落ちついた頃にアイラさんギターをジャーン”ジュディクリスティ〜”
フロア大・バ・ク・ハ・ツ。
気付けばパッパッパーッと唄ってる僕ら。当然!当然!あったりまえ!常識!名曲「トムコートニー」!この曲がライブで聴けるなんて、僕はもう、もう、ひーん、きーうん(以下省略)。しっかし、3人で、全ての音を自由自在に編成も変えて表現するってのも、感動的やね。その真骨頂と思ったのが、シングルの「オートムンスウィーター」。ジョージィお姉さのとダンプさんがドラムでアイラさんがキーボード。二人のスネアが重なり、まるでドラムンベース。不思議と聴きやすいベースシンセにアイラさんの声。ブレイク時には変な英語が入ってきたりして、面白いし、のれる。シングルと全然違ってて、メチャクチャかっこよかった。しばらくして、ドッドタンジャーンて聴いたことのあるドラムが。あ゛あ゛あ゛あ゛「ブルーラインスウィンガー」やん!
すんません、この時点でワタシ、コーフンしてました。この曲フルヴァージョンでなんで、もう、あん、がーっ(以下省略)。ジワジワとあらゆる感情を飲み込み、吐き出すようなギターが重なり、一気に加速するアノ瞬間、もう、グルーヴとかそんなレベルでは語る事の出来ない、僕の一番深い場所にダイレクトに届くような音だった。
さて、アンコールは、アイラさんがリクエストを会場からきいたりして、なごむ。いろんな曲名がとびかう中、T.F.C.もやった「アイヘッドユールッキング」だ。気持ちいいな、中盤少し早く、そして除々に遅く、アイラさん、ジョージィさんダンプさんに目線送って終わりの合図。で、終わった瞬間ピーッ!チッチッチッジャジャジャジャ、おおーっ!
「リトルホンダ」!!
またもやフロア大バクハツ!しかもみんな唄ってる!当然!あったりまえ!常識!(しつこいですか?)続いてダンプさんがギター持って、アイラさんジョージィのとなりに行って、仲良くドラム。初期キンクスっぽい曲を披露。(後にラモーンズの「ビートオンザバット」と判明)2回目のアンコールでもリクエストあって期待したんだけど、新作の「モービーオクトパッド」はやんなかったのが唯一の残念。でも、やっぱり、おつりが来るくらいのベストライブ。生きててよかった、ホント思った。オレは幸せモンや!(トシ)
パステルズ 渋谷クアトロ98.4.25

素晴しい、素晴し過ぎるライブだった。新作から、「ATTIC PLAN」がオープニングだ。真ン中のアギさんはすごく可愛くて、
超プリチー
とか思ってると、左でステファン・パステル、ギターを弾かずに腰をフリフリ
ダンスしながら歌ってる!僕らも、気持ちよくしてると
↑なにをしてるんだ?
歌っちゃいけないトコで思わず歌いだしてしまって、あーもうダメだ、みんなのラブなハートが会場内にあふれんばかりなのが手に取るように分かる!そのあとのステファン、サッとマイクから身を引いて目線を下にしたりして、もう、ア゛ーなんか、なんか、なんかぁー。さらにセミアコを手にすると、音が聞こえないんだ、コレが、ダウンスクロール一本で、コードもフォークの押さえ方で、まるで初めてギターを手にして演奏してるようなステファン。最高!コレ、コレなんだ、キャリア十何年にして、
このPUREさがパステルズなんだ。
ドラムのカトリーナさんは的確にリズムを刻んでて、うまいなーと思った、しかも全体的に音が小っちゃいので、存在感が大きい。さらにドラムプレイしながらボーカルとったりして、カッコイイ。そうそう、ベースのアギさん顔ばっかプリチー
とか思いながら見てたけど、(なんせ真っ正面だったもんで)ふと目を落とすと、下の2弦を使ってておもしろい。サポートのポリスキャットの二人、一人はギター、いいギターを弾いてて、ちょっとロバート・カーライル(EX.フル・モンティ)に似てた。キーボードの人も新作に入ってる変な音を出すのと、何とフルートとピアニカ(初めて見るカタチだった)もプレイ、けっこうよかったな。この二人。ポリスキャットも見てみたいね。曲順とか覚えてないんですが、名曲「スルーユアハート」も演ってくれて、涙ぐむ人もいて、ワタシも、もらい泣きしそうになりました。新作中心に2〜3曲の間に昔の曲をはさむって感じかな。アギさんヴォーカルの「サイクル」もよかったなー。出だしのベースとドラムの乱れ具合もよかったし(いいんだ、それで、それだからこそイイ!)アギさんのヴォーカルにユルーイ音が重なって、
ホャ〜ン
とか
プワ〜
とか、そんな感じになって来て、とどめにフルートが入ってきて、最高!気持ちいい!「フローズンウェィブ」でのバンジョーは?好きな曲だけに気になったが、残念、キーボード。(音はバンジョーね)さてさて、「モービルサファリ」からも「エクスプローションチーム」「ヨガ」もやってくれて、盛り上がる、「ヨガ」もパパァーなコーラス、アギさんと歌っちゃったよ、エヘ。ああ、ダメだ、
やっぱりHAPPYだよ!POPだよぉ!
ライブに来るまで、ちよっとキツイ事があったりして、ちよっとツラインダ・とか思ってたけど、パステルズ見て、大丈夫、まだいける。やれること、やるだけでいいんだ、なんて、マジ、はげまされたっス。
アンコールではおもむろにサムシングゴーイングオン!とかリクエストされてたけど、やっぱり、そこまで昔のはやんなかった。(と思う。知らない曲はあったけど)そのかわり、けっこう「トラックロードオブトラブル」からリクエストかかって、「ファイアーベルリンギング」を演ってくれた。いいよね、コレ。カトリーナさんの名曲やね、コレ。すっごくかわいい曲で好きやな。ラストもリクエストされてた「トラックトレイントラクター」ディストーション。バリバリのギター(サポートの人なんだけど)が入るともう、フロア大バクハツ!オトナシかったステファンも何やら、エフェクターいじって、アンプとにらめっこ。そう、フィードバックなんだ!けど聞こえない、いや、かすかに聞こえたのか、幻聴か?そうえいば時々
「モ〜ゥ」
って感じに聞えてたアレなのか、あーもうよくわからんが、イイぞ!
一時間半くらいで終わってしまったけど、よかった、胸がキュイーンって感じになってしまった。ヘタクソオンチとか言われたって構わない、そんな価値感とは別なんだね、POPって。それを確信した夜でしたよ。それにしてもグラスゴーはいい、T.F.C.以来久びさだったけど、やっぱいい。BMXも来てくれ〜い。(トシ)
POP GOES ART! 1998.5月発行 POKET HONEY LABEL.CO